（５５点／モンスター）
１年前にイジメを苦に死んだ妹のアイのトラウマから立ち直れない恵は、先輩のアヤの誘いを受けて友人たちと一緒に田舎の川で『ダイエットの為に飲む寄生虫（サナダムシ）を探す』という、奇妙な旅行に参加する事となる。
しかし、近くの森の中で会った『理性を失った不審な男』に仲間の一人が指を食いちぎられるという異常な事件が発生。
男を撃退した彼らは慌てて森から逃げ帰ろうとするが、乗ってきた車を何者かに盗まれて退路を絶たれてしまう。
仕方なく彼らは、地図にあった近くの村まで向かう事となるが、村にたどり着いたところを汲み取り便所の中から現れた汚物まみれのゾンビの襲撃を受け…
人里離れた寂れた村を訪れた若者たちが『謎の寄生虫』に寄生されてゾンビ化した人々の襲撃を受けるという、モンスターホラー映画。
「片腕マシンガール」とか最近では「デッド寿司」なんかでも少し有名になった感のある、イロモノホラーで有名な井口昇監督によるゾンビ映画ですが…
何と言うか『これ以上は無いぐらいに下品な内容の作品』ですね。
一言で言ってしまえば、タイトルどおりに『ひたすら尻（というか下ネタ）』にこだわったゾンビ映画といった感じのお話で、汲み取り便所の中から現れたウンコまみれのゾンビがゲロを吐きながら迫ってきて、感染した人間はオナラを連発しながらゾンビになるという徹底っぷり。
もう、『お前はどんだけウンコネタが好きなんだよ、小学生男子かよ！！』とツッコミを入れたくなるようなレベルの、紛れも無いクソ…というかウンコ映画。。
まあ確かにホラー映画というとグロとエロがお約束な訳ですが、そういうレベルを一足飛びに飛び越して別の次元まで到達しちゃったような感じで、コレを観て誰が喜ぶと思ったのか（一部のスカトロ趣味とかの人は別として…）と素で疑問を抱くようなノリです。
正直、あまりに下ネタ（主にウンコ）ばっかり連発する序盤～中盤にかけての展開は、割とその手のネタは平気な私でも下品すぎて『ちょっと眉を顰め（ひそめ）たくなるような展開』でしたが、終盤のエンジンがかかってきてからの『やり過ぎっぷり』はなかなかに良い感じ。
「片腕マシンガール」も『やり過ぎお馬鹿映画』という感じでしたが、本作はある意味でそれ以上のムチャクチャっぷりで、『尻から寄生虫をはみ出させたゾンビ軍団』が尻を突き出しながら集団で迫ってくる（天橋立を覗くようなポーズで追いかけてくる）シーンとか、無意味にカンフー映画ばりの派手なアクションシーンを見せてくれるマッドサイエンティストの病弱な娘とか、無駄なノリの良さとアホ臭さに笑ってしまいましたよ。
極めつけはラストの『寄生虫のクィーン』とのバトルシーンなのですが…
流石にここのネタは激しくネタバレになっちゃうので詳しくは言いませんが、あり得ないぐらいに『アホな状況』なのに『アメコミヒーローばりにド派手なバトルを繰り広げる』という問答無用の超展開っぷりは、出来れば自分の目で確かめていただきたいところです。
（ただし確かめた事によって、あまりの下らなさに脳の血管が切れて憤死しても当方では責任は追いかねます。）
あとヒロインの中村有沙の初々しい感じのヌードは、なかなか可愛くて良かったです。
ファンならば、それだけの為にも観ておく価値があるかも？
総評としましては、物凄く下品だし物凄く下らないんだけど、一部の『突き抜けた部分』はなかなか面白くて評価出来るという『良くも悪くも観る人を選ぶ作品』です。
まあ『ゾンビ映画自体が観る人を選ぶだろ』って話もあるのですが、そういうレベルを超越して次元を超えたレベルで観る人を選ぶ作品なので、『小学生向けのギャグマンガレベルの下ネタぐらいなら全く平気』という人以外には、ちょっとオススメし辛い映画かもしれません。
逆に、ここまで言われてなお且つ『興味が沸いた』というような奇特な人であれば、チェックしておいても損は無い映画だと思いますので、是非とも鑑賞して下品っぷりとアホっぷりを存分に楽しんでみてくださいませ。（笑）
