NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ジンジャーデッドマン サイテー絶叫計画」(40点/スラッシャー)

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■■■「ジンジャーデッドマン サイテー絶叫計画」■■■
(40点/スラッシャー)

 ジンジャーデッドマンに兄を殺されたクラリッサは、ジンジャーデッドマンに復讐を遂げるために身分を偽装して、彼が監禁されている『殺人クッキー科学研究所』へと侵入する。

 しかし復讐を遂げようとした瞬間に施設へと『動物愛護団体』のテロリストが突入し、その混乱に乗じてジンジャーデッドマンに逃げられてしまう。

 施設から脱出した彼は、近くの研究所で開発中だったタイムマシンを使って1976年へとタイムトラベル。
 ローラーディスコのクィーン・コンテストの会場に辿り付いたジンジャーデッドマンは、その場所でも殺戮を繰り広げていくのだった…



 死刑になった殺人鬼の霊が『ジンジャーブレッド』に乗り移り「ジンジャーデッドマン」となって次々に人間を殺すという、オカルト風味のスラッシャーホラーシリーズの第3弾。

 どこで人気があったのかは知りませんが、このシリーズも3作目まで作られてしまっていたようです。

 今回は、今までのスラッシャーホラーが中心というよりもパロディが中心の構成、冒頭からいきなり「ハンニバル」のパロディでちょっと笑ってしまいました。
 ジンジャーデッドマンの顔も、今までと違ってちょっとアンソニー・ホプキンスっぽくなってるし…一発ネタだけのためにしては妙に芸が細かいです。(笑)

 2作目のパロディネタがウケて味を占めたのか本編の構成も『パロディシーンの連続』といった感じで、確かにコレはサブタイトルに『サイテー絶叫計画』と付けるのも言いえて妙って感じの内容ですね。
 (ちなみに原題は「GINGERDEADMAN: SATURDAY NIGHT CLEAVER(土曜の夜の肉切り包丁)」)

 相変わらず下ネタが多いのはアレですが、前作に比べるとハンニバル」とか「サタデーナイトフィーバー」とか「キャリー」とか非常に分かりやすいネタが多くて、パロディ映画としての完成度は上がった印象。

 どこで笑ったら良いのか判然としなかった前作よりも、本作の方がまあまあ笑えるシーンは多かったかな?

 ただ、お話の流れとしては「キャリー」っぽい女の子のストーリーが物語の中心になっており、ジンジャーデッドマン自体は傍観者的な位置づけで描かれているため、出番が少なめになってしまっているのは残念なところ。

 ストーリーの流れの都合上『本編の流れとあまり関係ない人間』を殺すだけですし、殺人シーンも少なめになってしまっていますからねぇ…

 また3作目になって前作以上に予算が貰えたのか、特撮にCGとも使われるようになって映像レベルは随分と進化していますね。
 舞台が70年代という設定なので映像やセットが安っぽい感じなのも演出として働いており、低予算映画としてはなかなか上手い作り方かと…

 ただやはり、せっかく映像レベルが上がったのにジンジャーデッドマン自体の活躍するシーンが少なくなってしまったのはいただけないですねぇ。

 特に終盤のクィーン・コンテストの流れとか『別にジンジャーデッドマンが居なくても話が成立するよね?』ってシーンが物凄く多かったので、その辺はストーリーの構成をもうちょっと工夫して欲しかった。

 ラストの超展開も『必要だったのか?』とツッコミを入れたくなる部分が多いです。

 いやまあ『「ビルとテッドの大冒険」のパクリ…じゃなくてオマージュですよね分かります』って感じではあるんですけど、あんまりにも唐突過ぎるだろうと…


 総評としましては、もはやスラッシャー映画というよりも『D級ぐらいのパロディ映画』として観るならば、まあまあ楽しめるレベルといったところ。

 前作までの『お馬鹿ホラー路線』というよりも、むしろ『お馬鹿パロディ映画にオマケでホラー要素』といった印象が強いので、同じ系列の「最低絶叫計画」とか「ほぼトワイライト」みたいな映画のノリが好きな人ならば、まあまあ楽しめるんではないかと。
 まあ2作目も十分に迷走していたので、作品の方向性としては良い路線変更だと思いますが、普通に『お馬鹿ホラー』を期待してた人は、ちょっと肩透かしを食らっちゃうかもしれません。

 基本的に大した事のないシリーズではありますが、とりあえず2作目までイキオイで観ちゃったような人ならば観ても後悔するようなレベルでは無いので、本作もチェックしておいても良いんじゃないでしょうか?