NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「エイリアン・バトルロワイアル」(50点/アクション)

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■■■「エイリアン・バトルロワイアル」■■■
(50点/アクション)

 ある日、アメリカの片田舎のトムズタウンという町の森の中のスクラップ場にUFOが墜落する。

 UFOから出現したパワードスーツを着たエイリアンはスクラップ場の従業員たちと戦闘になり、地元の大地主でスクラップ場のオーナーでもあるトムが殺されてしまう。

 オーナーの妻のメーガンは夫の死体が回収されないと保険金が下りない事から、エイリアン退治に10万ドルの賞金を掛ける事を決定。

 かくして、地元の賞金狙いの住人たちとエイリアンとのスクラップ場での仁義なきバトルロワイアルが繰り広げられる事となったのだった…



 アメリカの田舎町の廃車置場に墜落したエイリアンと地元住民との激しい戦いを描いた、コメディ風味のバトルアクション映画。

 本作の設定からだいたい予想は付くと思いますが、いわゆるブラックなネタの含まれたアクションコメディ映画といった感じの作品ですね。

 ノリとしてはコメディの風味が強めで、エイリアンの方も別に凶悪という訳じゃ無くて矢鱈と突っかかってくる住民から身を守るために戦っているという感じなのですが、逆に住民たちが賞金を独り占めしようと裏切りあったり、勝手に罠にツッコンでいって次々と自爆していったりという感じで混戦が繰り広げられるので、この辺がタイトルのバトルロワイアル』たる所以(ゆえん)でしょうか…

 作品の方向性や監督のやりたい事は分かりやすく、いわゆる『ブラックなバカ映画』を目指して作られた作品という感じで、エイリアンの武器も無駄にバリエーションが豊富で相手をワイヤーで切断したり凍結させて粉々にしたりするものから、地面の中からサメ型のロボットが飛び出してくるようなものまで、とにかく殺すシーンを派手に見せようとしてるという印象。

 地元の賞金稼ぎたちも、『矢鱈と武闘派の神父』やら『顔と口だけのサギ師』やら『重武装した元軍人』やらの個性的なメンツにはじまって、空手教室の子供たちやら、アメフトチームの若者たち(もちろん防具を付けて宇宙人をタックルで倒そうとします)やら、野球チームの若者たち(もちろん(?)ユニフォームを着てバットを持って宇宙人に殴りかかります)やら、もはや『マジメにやる気があるのかよ!』とツッコミを入れたくなるような連中まで…とその辺のネタも豊富。

 序盤でキャラ紹介に尺を割いて思いっきり『主人公っぽく登場したキャラ』が速攻で殺されたりといったフェイクの仕込みもあったりと方向性としては良くできており、ここまで聞くと凄く面白そうな作品に思えるのですが…

 なんというか監督のセンスが良くないのか低予算が問題なのか、全体的にイマイチ盛り上がらないんですよね。

 何が問題かって、この手のコメディはテンポの良さが重要だと思うのですが微妙に『お話のテンポが悪い』のが困りもの。

 お話の展開が4日ぐらいに分かれて描かれるのですが、夜になるたびに『インターバル』でエイリアンと戦わない時間が発生するので、とにかく途中でダレます。
 夜の時間で人間同士のドラマも描きたかったのでしょうが、インターバルを挟むにしても全編を通して1回程度で良かったのでは?

 エイリアンの武器のバリエーションも豊富なのは良いのですが、予算の都合なのか殺戮場面にイメージ映像っぽいシーンも多かったりと、どうにも迫力に欠ける。

 また人間同士の『裏切り』や『騙しあい』みたいなのもネタとして仕込まれてるんですが、コレも『アホが勝手に潰しあってる』って感じでイマイチ展開に説得力が無いんですよね。
 もっと『エイリアンに優位に立てそうな時に裏切る』とか『強力な切り札となる武器を巡って裏切り』あうみたいな設定にした方が、説得力があって良かったのでは…

 オチも『だから何やねん?』って感じのスッキリしない終わり方ですし…
 ブラックなネタを仕込むにしても、もうちょっと上手い見せ方があったと思うんだけどなぁ。


 総評としましては、方向性やアイデア自体は悪くないと思うのですが、どうにもチープさを隠し切れない『いま一歩なコメディ映画』っていうのが正直なところですね。

 要所でネタとしては笑える部分もあるのですが、全体的なテンポの悪さがそれを打ち消してしまっている感じなので、もうちょっとその辺が改善されれば良い作品になったと思うんですけどねぇ…

 まあ低予算さにさえ目をつぶれば、コメディ系のアクション映画とかが好きならばそこそこ楽しめる作品ではあると思いますので、その手のジャンルが好きで予告とかを観て気になっているのであれば、『とりあえずチェックしてみても良いかも…』って程度の一本ではあると思います。