■■■「ストリッパー・ゾンビランド」■■■
(55点/モンスター)
3週間前、謎のウィルスの影響により世界各地で女性が下着姿で人間を襲う『ストリッパー・ゾンビ』と化すという現象が発生する。
家族がゾンビと化し父親を殺された青年の『アイダホ』は、逃亡先でゾンビに襲われそうになっているところを、ピックアップトラックで旅を続ける『フリスコ』という男性に助けられる。
世界が壊滅したあとに『本物のケーキ』を探して探して旅をしているという彼の目的を聞いたアイダホは、ひとまず彼と一緒に旅をする事になるが、旅の途中で感染していない2人の女性と偶然に出会う。
オレゴンに向かいたいという2人の女性の話を聞いた彼らは、最初はストリッパー街の多い場所へと向かう事を反対するが、彼女たちの祖母が『ケーキ作りの達人』であると聞かされて共に行動をする事となり…
全ての女性が『ストリッパーゾンビ』と化した世界でアメリカ横断の旅をする4人の男女の道中を描いた、モンスターホラー映画。
なんだか最近この業界で流行りつつある、いわゆるロードムービータイプのゾンビ映画ですね。
ロードムービーで「ストリッパー・ソンビランド」というタイトルを聞くと何だかどこかで聞いたような印象を受けますが、実際の内容の方も佳作ゾンビ映画である「ゾンビランド」にインスパイアされた…というか、ぶっちゃけパクり的な内容ですね。
アメリカを横断するロードムービーという設定だけでなく、主人公が『ストリッパーから(ゾンビからではなく)生き残るためのルール』を作って行動していたり、登場人物が名前を地名で呼び合ったり、中盤で往年の映画スター的なキャラが登場したりと、非常に分かりやすい清々(すがすが)しいまでのパクリっぷり。
ただ、ネタをパクっているからといって本作がツマんないかというとそうでもなく、単純にゾンビ映画として観るならばそこそこ良く出来ている印象。
割と定期的にゾンビと戦うのでそれなりに見せ場もありますし、主人公を含めてキャラクターも薄味ながらもキチンと立っています。
低予算映画なので特撮とかはショボ目ですが、まあB級映画としては観れなくは無いレベル。
『ストリッパーゾンビって何だよ?』とツッコミを入れたくなるような無茶な設定も、意外にキチンと誕生の秘密とかが語られていたのには、ちょっと驚きましたよ。
(絶対、投げっぱなしの一発ネタだと思ってたのに…)
ストリッパーなので『ヒッポホップを聞いてる間は踊って無力化される』とかってどこかで聞いたような設定もまあアリかなという感じですし、あからさまな二番煎じの割には思ったよりも良くまとまっている印象。
ただ、お話の流れがあまりにも「ゾンビランド」のストーリーラインをなぞり過ぎて居るので、ストーリーの展開が思いっきり読めてしまうためちょっとダレ気味になってしまうのと、『ストリッパーゾンビ』という設定以外にコレという見所がある訳でも無いのが難点なので、もうちょっと本作ならではの個性を出す特徴があれば良かったかも?
(『セクシーなコスチュームのゾンビ』も、ずっと観てると流石に飽きますしね…)
あとラストの展開とかは無駄に熱くて良かったですけど、欲を言えばもうちょっと中盤の山場みたいなものが欲しかったかなぁ…
総評としましては、明らかにネタ的な地雷映画かと思いきや『意外にキチンと作られた、そこそこ観れるレベルのゾンビ映画』といった感じの作品ですね。
強くプッシュするほど面白い訳でも無いですが、ゾンビ映画が好きならばごく普通に楽しめるレベルではあると思います。
最近、流行っている『ロードムービー風のゾンビ映画』ってのが好きで、そこそこ気になっているのであれば、普通にチェックしておいても損は無い程度の一本だと思いますよ。