NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「アイアン・ウォーズ」(25点/アクション)

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■■■「アイアン・ウォーズ」■■■
(25点/アクション)

 1943年の2月。
 アメリカ軍がオーストラリアから撤退する途中に軍の不手際で逃げ出した2頭のピューマを退治するために編成された5人のメンバーである『G部隊』は、ピューマが潜伏するとされるオーストラリアの山中へと進軍する。

 目的地の到達した彼らは、司令部から渡された『ピューマをおびき寄せるための装置』を作動させるが、その直後に激しい頭痛とめまいに襲われて気を失ってしまい、目を覚ましたところ『絶滅したはずの巨大な生物』の居る見知らぬ場所へと飛ばされている事に気付く。

 なんとか怪物の襲撃を逃れた彼らは、上官の一人から『ピューマをおびき寄せるための装置』は本当はタイムマシンで、彼らの真の作戦の目的は『5万年の過去へとタイムスリップして、ヒットラー第三帝国を滅ぼすために失われた超兵器を回収する事』だと知らされるが…



 過去の世界へとタイムスリップしたアメリカ軍の特殊部隊がナチスを壊滅させるために超兵器を手に入れようとするという、オーストラリア製のSFアクション映画。

 オリジナル版がどうなのかは不明ですが、日本版は「アイアンスカイ」の公開に合わせて発売されてタイトルもそれっぽいのが付いてるという、モロに「アイアンスカイ」の便乗作品といった感じの作品ですな。
 (まあ「アイアンスカイ」自体がフィンランド、ドイツ、オーストラリアの合作ですし、やっぱオリジナル版も便乗作品なのかな?)

 中身の方は、まあいわゆるトンデモSF系のアクション映画といった感じで、パッケージや予告を見る限りは過去の世界で巨大生物に襲われたり、アダムスキー型のUFOが登場したり、クモ型の多脚メカが登場したりとちょっと面白そうに見えるのですが…

 実際の内容の方は、なんというか『微妙』としか言いようが無いような作品です。

 ストーリーとしてはアメリカ軍の特殊部隊が極秘でタイムマシンの実験を行い、過去の世界に残された超兵器を回収しようとする』という感じのお話なのですが、SF的な設定とか時代考証とかは殆ど無いも同然。

 だいたいいくら極秘ミッションとは言え、過去の世界に兵士を送るにしても『5人の兵士を騙して送り込む』なんて非効率的な事はせんだろう?
 …というツッコミをしたくなるような設定なのですが、その辺は一応は『実は○○だったのだ』というような伏線にはなっており、そこまで究極的に破綻したストーリーという訳ではありません。

 が、別にストーリーが破綻していないからといって面白いかと言われると全くそういう問題でもありません。

 なんというか、まずお話の展開がとにかくダルいんですよ。

 主人公たちがタイムマシンで過去に到着するまでは、まあそこまでテンポが悪くも無いんですが、それ以降がとにかく盛り上がりに欠ける。

 5万年前に辿り付いた主人公たちは、割とスグに『古代の超兵器(アダムスキー型のUFO)』を発見するのですが、シールドが張られてて中に入れないとかって設定で中盤以降はただ『UFOのそばでグダグダしてるだけ』のシーンが妙に長い。

 その間に冒険があるのかと言うとそうでもなく、何をやってるかと言うと仲間同士で『内ゲバ』をやってるだけという、なんとも盛り上がりようの無い展開。

 一応、途中で巨大な昆虫の大群に襲われたり肉食動物が登場したりするシーンはあるのですが、全体の尺に対して盛り上がるシーンが少なすぎます。

 終盤になって、ようやくお話が動き出してUFOやクモ型メカが登場したかと思いきや、クモ型メカに主人公のオッサンがア●ルをレイプされるという『いったい誰が得をするんだ!?』とツッコミたくなるような謎のサービスシーン(?)を経た後、10分程度しか見せ場が無く殆ど盛り上がる間も無いままに『俺たちの戦いはこれからだ!!』みたいなナレーションが流れてエンディングに突入。

 『いったいどういう事だ?』とポカーンとしていると、ラストにTo Be Continued.の文字と次回作のタイトルが表示されましたよ。

 いやいや、このタイトルやパッケージじゃ流石にシリーズものとは思わないですよね。
 つか、シリーズものなら最初から断りを入れておいてくれよと…

 まあ確かにラスト10分程度のみで登場させるにしては、クモ型ロボとかUFOとかのCGが妙に気合が入ってるなぁ…とは思ってましたが、シリーズ化が前提だったからなんですなぁ。

 でも、正直言って『この話の続編を観たいか?』と言われると、全くもって興味をそそられない内容ですので、もうお腹いっぱいという感じですよ。

 とりあえず続編が来た時に、また全く別のタイトルが付いてて『面白そうなタイトルだな』と騙されて借りてしまわないように注意したいと思いますよ。(笑)


 総評としましては、正直に言ってしまうと『なんじゃコリャ?』としか言いようが無い作品です。

 面白いとか面白くないとか以前にストーリーが全く完結してないですし、現時点では評価し難い部分も多いですが、少なくとも『続編が観たい』と思うほどの興味は惹かれなかったかなぁ…

 CGとかの完成度はそこまで酷くは無いので、トンデモSF系が好きな人ならば『キチンと完結編まで見れば楽しめなくは無い作品』になるのかもしれませんが、とりあえず現状では『続編』がいつ出るかも分からないですので、観るにしても続編の発売の目処が立ってから観た方が良いかもしれませんよ。