NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ゴーストメイカー」(40点/サスペンス)

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■■■「ゴーストメイカー」■■■
(40点/サスペンス)

 住宅の清掃のアルバイトをする大学生のカイルは、ある日、不気味な老女の住む屋敷の地下室の整理を手伝う事となる。

 その屋敷で、オカルト趣味を持つ老女の夫が生前に集めたという『古びた棺』の処分を依頼された彼は、多額の借金の返済に迫られていた事から『棺を売りさばけないか』と考えて自宅へと持ち帰るが、棺を清掃していたところ棺の底板の下に奇妙な『機械仕掛けの装置』が隠されている事に気付く。

 その棺について調べたところ、棺の正体が有名な拷問器具の製作者によって作られた『幽体離脱により死後の世界を体験できる「ゴーストマシン」という装置』だと知った彼は、友人たちと共に装置の実験を行う事となるが…



 幽体離脱により臨死体験を行うことが出来る謎の機械』を手に入れた大学生たちが、思いがけぬトラブルに巻き込まれていくという、オカルト風味のサスペンスホラー映画。

 パッケージだけ見たら心霊もののオカルトホラーっぽい印象を受けますが、実際の内容の方は人間ドラマ的なサスペンス要素の強い作品ですね。

 設定としては『ネット上に公開された出自不明のフィルム』を元に作られた、実話ベースのお話という事らしいですが、もちろんそんな事実はある訳も無いので『別に無理に実話ベースという設定にするような話でも無いだろ…』って感じの内容ですな。

 『自在に幽体離脱を行える装置を手に入れた若者たちの辿る運命』という設定はなかなか面白いですし、『棺の不気味な感じのギミック』やらのデザインも悪くなくて、オカルト風味のサスペンスとしてはなかなか雰囲気は良い感じ。

 ただ『設定の面白さ』が『ストーリーの面白さ』に直結している訳では無く、設定がそこそこ壮大な感じなのに、お話の内容の方が物凄くチープなのは気になるところですね

 何が微妙って、こんな設定の割にはストーリー的にオカルト的な要素は殆ど無くて、妙にドロドロとした『愛憎劇』とか『人間ドラマ』が中心で、なんというか話のスケールが非常に小さい。

 幽体離脱を行える装置』が自由に使えるようになった主人公たちが『装置を悪用して私利私欲を満たそうとする』という大まかな流れは悪くないと思うのですが…

 装置の副作用で『半身不随の体の治療』が行えるようになった車椅子の友人が装置を手放すのを嫌がるというのはともかく、主人公の方は『ドラッグを手に入れるための小銭を稼ぐために装置を利用する』という設定は幾らなんでも貧乏臭すぎ。

 そもそもそんな『世界に一つしか無いような貴重な装置』なら、大富豪の好事家にでも売りつければ一生遊んで暮らせるような金が手に入りそうなものなのに、そんな装置を『小悪党みたいなしょうもない悪事に利用しようとする』という事の意味が分かりませんよ。

 お話の展開も終始ドロドロした感じでカタルシス的なものも感じられないですし、設定の奇抜さの割にとにかくお話が盛り上がりに欠けるのは困りものです。

 こんな面白そうなオカルト的な要素とサスペンス要素を組み合わせれば、もう少し盛り上がるような展開が作れただろうと思うんですけどねぇ…

 装置を利用した人間の元に現れる『死神』みたいな奴(パッケージ書かれているのがコレです)も、出てくるだけで全く見せ場が無くて何をしに出てきたのか分からないような状態ですし、どうにも全体的に設定や素材の良さを活かしきれてない部分の目立つ作品でしたよ。


 総評としましては、設定や美術デザインなど観るべき部分も無くはないのですが『お話そのものがあまり面白くなくて盛り上がりに欠ける』という、なんとも残念な感じの作品です。

 まあ致命的なほどツマんないという訳でも無くて『それなりに観れるレベル』ではあるんですけど、盛り上がりに欠ける部分が多くてツッコミどころや不満点ばかりが目立ってしまうんですよね。

 予告とかを観て気になっているのであれば観るのを止める事はしませんが、そこまで強く推すような要素もありませんので、まあ『気になるようならお好みで』といった感じの一本でしょうか…