NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「フローズン・ライター」(30点/サスペンス)

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■■■「フローズン・ライター」■■■
(30点/サスペンス)

 スランプに悩む脚本家のジャックは、北国の僻地にある知人の精肉工場の冷凍庫を借りて、世間から離れて締め切りまでの5日間を閉じこもって缶詰状態で原稿を執筆する事となる。

 しかしアイデア不足の原稿は遅々として進まず、更に原稿を書き始めてから身の回りで奇妙な事が起こるようになり、やがてジャックは何が現実で何が妄想なのか区別が付かなくなっていくのだった…



 スランプを脱する為に冷凍庫に閉じこもって原稿を書く事となった脚本家が、恐るべき体験を味わうと言う、エドワード・ファーロング主演のシチュエーションスリラー映画。

 ターミネーター2」以降、微妙な映画にばっかり出演していると評判のエドワード・ファーロングですが、今回もこれまた微妙な作品に出演しておりますなぁ。

 お話としては、いわゆる監禁型のシチュエーションスリラー映画なのですが、冷凍庫に閉じ込められた作家が『極限状況で作品を書き進めるに従って妄想と現実の区別が付かなくなっていく』っていうアイデアは割と良いと思います。

 お話の展開を『作家の書いている脚本(劇中劇)』と『現実』の内容をシンクロさせて並行して描いていく事で、どこまでが現実でどこまでが作家の書いた脚本なのかを分からなくさせるという構成もなかなか面白いのですが…

 アイデアそのものは良いのですが、肝心のストーリーの方が恐ろしく微妙なのは困りものです。

 お話の流れとして、ライターの書く『劇中劇』と『現実』とが交互に描かれて展開していくような感じなのですが、何が辛いってこのライターの書く『劇中劇』がビックリするほどツマんない事。

 まあ『スランプの売れない作家が書いた脚本』という事なので、敢えてそういう意図を狙って作られたものなのかもしれませんが、どんな意図だろうと『ツマんない作品』を延々と見せられるのは苦痛でしかありません。

 『メインのストーリー』らしい流れの方はまだそれなりに観れるのですが、この劇中劇がホントにツマんないので正直言ってダレまくりで、途中から本気で劇中劇の部分を早送りしたくなりましたよ…

 また、現実と妄想の境界を曖昧にするという意図を狙ってか、お話の流れを敢えて分かりづらくしている部分はあるのでしょうが、終盤の展開はそれを踏まえてもゴチャゴチャしすぎかな?

 私には結局『どこまでが主人公の書いた脚本』のお話なのかが、最後まで良く分からなかったですよ…

 ラストのオチが簡潔なのは良かったですが、引っ張ったネタの割にはちょっとインパクトが弱い感じだったので、オチももう一捻りが欲しかったかなぁ?


 総評としましては、そこそこ面白そうな設定の割にはどうにも盛り上がりや面白味に欠けるという、なんとも微妙なシチュエーションスリラー映画って感じの作品です。

 狙ってる方向性や演出やらに面白い要素が全く無いわけじゃないので、端的になら『観るべき部分』も無くはないのですが、全体として見ると退屈な部分が多くてどうにもダレた映画になってしまっている印象。

 シチュエーションスリラーが好きな人であれば、まあアイデア的に観るべきところもあると思うので、気になっているようであれば試しにチェックしてみても良い程度の作品かもしれません。