NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「グランド・クロス シード・オブ・ディストラクション」(55点/パニック)

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■■■「グランド・クロス シード・オブ・ディストラクション」■■■
(55点/パニック)

 大気を浄化するために遺伝子操作によって太古の植物である「エデンの種子」の遺伝子を改造し復活させるという『アラムート計画』。

 この計画の種子が何者かによって盗み出され、解き放たれた古代植物はネバダ州の鉱山を中心に爆発的な勢いで成長を開始する。

 古代植物学者のジョスリンは、古代植物を復活させたのが行方不明になったかつての同僚だと知らされ、政府の秘密機関から事態の収拾への協力を要請される。

 彼女は政府機関と協力してなんとかして植物の成長を止めようとするが、軍による攻撃も全く通用せず巨大な古代植物は次々と街を破壊しながら飲み込んで行くのだった…



 復活した古代植物が猛烈なスピードで成長し都市を破壊するという、巨大植物ものディザスターパニック映画。

 何か矢鱈とものものしい長いタイトルが付いていますが、なんでも同社のレーベルのディザスターパニック映画である『グランド・クロス』というシリーズの3作目という位置づけに当たる作品のようですが、もちろん元の映画(原題)どうしは何の関わりも無い別の作品です。

 ちなみに本作の監督のポール・ジラーって『どっかで聞き覚えがある名前だなぁ?』と思いきや、「YETI」とか「スネークヘッドテラー」とかを撮ったB級TV映画専門の監督さんですな…

 この監督さんは映画の内容にツッコミどころは多いしショッパイ部分は多々あるものの、『低予算でソツなく観れるレベルでB級作品をまとめてくる』という手腕はそこそこ持ってるのも特徴ではありますので、本作も例に漏れずに『凄く面白い訳でも無いけど、退屈しないレベルには楽しめる』といった感じの作品に仕上がっている印象。

 お話の内容は、過去にウルトラQ」というTVシリーズであった「マンモス・フラワー」というエピソードの大規模版みたいないお話ですね。
 (まあ、こっちは根が人間の血を吸ったりはしませんが…)

 巨大な植物が物凄い勢いで成長してその根で街がどんどん破壊されていくという感じのお話で、軍が攻撃したりして止めようとするけど全く効果が無く(むしろ逆効果)で、『このままだとアメリカ全土は1週間で壊滅する』といった感じの大ピンチの展開に…

 B級作品で監督が脚本に関わっているような作品の割には、ストーリーそのものに大きな破綻は無くて、『解決策の手がかりの提示』や『謎解きプロセス』の整合性がキチンと取れてるのはなかなか好感触。

 ただ突っ込みどころは相変わらず多くて、対策本部が『植物の侵攻がはじまってからわずか数時間』で解決を諦めて閣僚を脱出させようとしてみたり、事件の原因となった『主人公の同僚の科学者』が矢鱈とマッドな性格で単なる植物の研究施設を傭兵に護衛させてたり(どこから資金が出てるんだよ…)とか、色々と無理のある展開も多め。

 ストーリーはテンポ良く進むので退屈する部分は無いですが、物凄く教科書どおりのようなコテコテの展開で意外な展開もなく格別に盛り上がるシーンなんかも無いので、どうにもインパクトに欠けるのは辛いところ。

 また最大の見せ場である『植物によって街が破壊されるシーン』も、予算の都合からかほんの少ししか映像が無くて物足りなさや迫力不足は否めません。

 特撮そのものはCGの割にはそこまで違和感が無くてなかなか頑張ってるレベルだとは思うので、もうちょっと迫力のあるパニックシーンが描かれてれば、そこそこ楽しめるレベルになったんじゃ無いかと思うので、その辺は惜しいところです。

 あとコテコテなのは良いのですがラストは妙に引っ張りすぎな割に直球すぎるので、あそこまで引っ張るならもう一捻りあっても良かったかも?


 総評としましては、特にオススメする程の内容では無いですが『非常にソツなくまとめられたB級パニックもののTV映画』という感じの作品ですね。

 凄い見どころがある訳では無いものの、TV映画らしく『TVで放映された時とかにみれば、そこそこ普通に楽しめるんじゃないかな?』というレベルの、暇つぶし程度に観るならばまあまあ許容できる程度の映画です。

 ディザスター映画好きだからといって無理にチェックするような作品でもないですけど、予告なりを観て気になってるのであれば、とりあえずチェックしてみても後悔はしない程度の一本ではないでしょうか?