■■■「ほぼほぼパラノーマル」■■■
(25点/コメディ)
超自然的な現象を調査する「スーパーナチュラル・アクティビティ」というインチキ番組を作るデーモン、ブレア、ブロック、ダグ、ペッパーらの5人は、シーズンの最終回としてテキサスのヒックスビルという町に出没する『スモールスクアッチ』という怪物の調査に赴く事となる。
田舎町に訪れた彼らはいつものように調査を開始。
しかし、他の企画を最終回にやりたいデーモンは調査を適当に切り上げて帰ろうとするが、思いがけずに彼らの前で奇妙な現象が実際に起こり始め…
インチキ超自然的現象番組のスタッフが思いがけず本当の超自然現象に遭遇するという、POV形式のホラー映画のパロディもののコメディ映画。
まあ、タイトルのとおりに「パラノーマル・アクティビティ」とかのPOV形式のホラーをベースとしたパロディ映画なんですが、「最終絶叫計画」とかほどパロディ主体でも無いというパロディとコメディの中間みたいな感じの作品ですね。
タイトルだけみると、いかにも『「パラノーマル・アクティビティ」をパクりました』という感じの作品に見えますが、実際の中身の方は「パラノーマル・アクティビティ」にはじまり、「ブレアウィッチ・プロジェクト」や「エミリー・ローズ」といったPOVや実話系のホラーのパロディの連続といった感じの内容で、あんまり「パラノーマル・アクティビティ」の要素は強くありません。
むしろ「ブレアウィッチ・プロジェクト」のパロディのノリの方が強いかも?
中身の方は『パロディ要素』と『コメディ要素』が半々ぐらいの構成なんですが、お笑いの内容がどうにも中途半端な印象。
パロディ部分は元ネタをそこまで忠実にパロディ化している訳でも無いものの、『元ネタを知らないと分り難いようなネタ』が散見され、また元ネタとなる映画の本数が多いために『楽しめるためのハードル』が高めの印象。
しかも、そのハードルをクリア出来たからと言ってそもそものネタ自体がそこまで面白い訳でも無いので、パロディとしては正直言って微妙と言わざるを得ません。
コメディ要素は下ネタが多目の構成で、こちらも割とありきたりな『下品風味のコメディ映画』といった感じ。
強烈にブラックなネタやセンスの良いネタがある訳でもなく、ところどころクスッと笑える場所はあるのですが明らかにスベっているネタも多くて、そこまで爆笑できるような要素も無いため今ひとつ盛り上がりに欠けます。
なんというかネタとしてコメディとしてもパロディとしても、どちら方面で観てもいま一歩な感じなんですよねぇ。
コレなら「最終絶叫計画」みたいに徹底的にパロディに徹するか、ブラックなネタを中心のコメディに徹してお話を組み立てた方が素直に楽しめたんじゃないかなぁ…
個人的には『悪魔祓い』のシーンのネタは下らなすぎてちょっと笑えましたけど、他のシーンはどこで笑って良いのか分からないネタが多くて、正直言ってコメディとしては困惑してしまうような内容でしたよ。
あと、ラストの『過去の消し忘れ映像』みたいなのも全く意味が分からなかったのですが、アレって何かのパロディになっているんでしょうか?
総評としましては、何と言いますか普通に『微妙な笑いを提供してくれるコメディ映画』という感じ。
手に負えないほどツマんない訳では無いんですが物凄く笑えるような要素も無く、どうにも終始に渡って盛り上がりに欠ける感じの作品でしたよ。
あんまりオススメできるレベルの作品ではありませんが、そういったネタ映画を求めているのであれば、『POVとか実話形式のホラー映画』が大好きな人なら試しにチェックしてみても悪くは無いかもしれません…