■■■「スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン」■■■
(60点/アクション)
昆虫型エイリアンの『バグ』によって占拠された地球連邦軍の基地である『ケイシー要塞』を奪還する任務に就いたトゥルーパーズは、基地へと突入し侵入したバグを撃破し生存者を救出する任務に当たる事となる。
しかし、作戦の途中で護衛に付いていた戦艦『JAW号』をケイシー要塞の士官のカールによって徴発された彼らは、危機に陥るも辛くも別の艦で基地から脱出に成功する。
作戦後の帰還中にカールの乗った『JAW号』が行方不明になった事を知った彼らは、『JAW号』を発見し『ケイシー要塞』で何が行われていたかを知るために、命令不服従で拘束されていたヘンリーという指揮官を作戦に参加させる事となるが…
人類と昆虫型エイリアンである『バグ』との激しい戦いを描いた「スターシップ・トゥルーパーズ」の外伝にあたる、CGアニメによるアクション映画。
既にオリジナルで3作目まで作られている本シリーズですが、本作は「アップルシード」の劇場版等を監督した荒牧伸志が監督し、全編がCGのみで製作されているというシリーズの中でも異色の外伝に当たるようなお話ですね。
ベースとなるお話は映画版の設定を受け継いでいる感じで、装甲服を着た兵士たちがアサルトライフルでバグの大群とガチバトルを繰り広げるといった内容ですが、3作目とか原作に出てきたようなパワードスーツもちょっとだけ登場します。
(登場人物もリコとかカルメンといった、1作目の主要キャラも登場したりします。)
ただシリーズの設定を引き継いでいるといっても、内容的にはいかにも『日本製アニメ』といった感じのお話ですね。
オリジナル版のような政治的なプロパガンダのネタとかブラックユーモアとかは一切無くて、シリーズから『シリアスとアクション要素』を中心に抽出したような印象。
ストーリー展開なんかもかなりヒロイックで、オリジナル版の悪ノリ的な展開が好きな人はちょっと『アレッ?』っていう風に感じてしまうかも?
フルCGになった事によって、戦闘シーン(特にバグとの絡みのシーン)が細かく描けるようになったのは良いですが、やはりCGだとちょっと迫力に欠ける印象がありますねぇ。
このシリーズは、戦闘シーンでの『やり過ぎ気味のスプラッタ描写』がウリの一つでもあるのですが、フルCGだと絵がキレイすぎてその辺の迫力があまり感じられないのは残念なところです。
またせっかくフルCGにしてるんだし、どうせ制作費がそれほど変わらないなら『小規模な宇宙基地での防衛戦』とかじゃなくて、もっと『大規模な戦闘』を描いてくれれば良かったのに、その辺は少し物足りないものを感じたかも?
ストーリーなんかはそこまで原作の雰囲気を崩してないですし、盛り上がる展開もあったりでなかなか良く出来ていると思います。
もともとアニメの監督だけあってキャラの立て方なんかも非常に上手くて、ストーリーに感情移入しやすいのも良い感じ…
ただ、主要キャラクターが仲間の為に自分を犠牲にするシーンが矢鱈と多くて、やや『日本的なノリ』が強すぎる印象があるのは好みの分かれるところかなぁ?
あとリコがアニメの主人公的な超人みたいな描かれ方をしているのは、流石にいかがな物かと…
総評としましては、純粋に全編CGのアクションSF映画として観るならば『まあまあ楽しめる作品』といった感じの一本ですね。
「スターシップ・トゥルーパーズ」の新作と言われると、ちょっとコレジャナイ感を感じる部分も多いので、シリーズが好きで『今までの作品のようなノリ』に期待している人が観ると、ちょっと肩透かしを食らってしまうかも?
まあ総じて悪くは無い出来ですので、シリーズなり荒巻監督の作品が好きなりで気になっているなら、とりあえずチェックしておいても損は無いぐらいの出来の映画だと思いますよ。
とりあえず「スターシップ・トゥルーパーズ2」が許容できるぐらいの人ならば、間違いなく楽しめる作品になっているのではないかと…