NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「クライモリ デッド・パーティ」(45点/スラッシャー)

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■■■「クライモリ デッド・パーティ」■■■
(45点/スラッシャー)

フェアレイクという小さな町でハロウィンに行われる『マウンテンマン音楽祭』へと遊びに来た5人の若者たちは、森の中で一人の男を轢きそうになってしまい避けようとした拍子に事故を起こして車を壊してしまう。

ふとした事からその男と乱闘になった若者たちは、男と共に警察によって保護される事となるが、その男は実は、人喰いミュータントである『マウンテンマン』たちと共謀して殺人を繰り返す連続殺人犯で、やがて男を救おうとしたマウンテンマン達が町を襲撃に現れ…



 人喰いミュータント集団である『マウンテンマン』の恐怖を描いたスラッシャーホラー映画である、「クライモリ」シリーズの第5弾に当たる作品。

 このシリーズもいつの間にやら本数を重ねて、ついに5作目の登場です。
 (やや粗製乱造のきらいはありますが…)

 本作は3~4作目の「クライモリ デッド・リターン」、「クライモリ デッド・ビギニング」と同じ監督さんが作った作品のようですが…

 オーソドックスな1作目とブッ飛んだ2作目と続いた後に、3作目以降はあからさまに低予算化が進んで『特徴の無いB級スラッシャーホラー映画』になってしまった印象のある本シリーズですが、本作もやはり全体的にパッとしない感じの『普通の低予算ホラー映画』といった感じですねぇ。

 シリーズが進むごとに何だかどんどん賢くなっていくマウンテンマンですが、本作では遂に『連続殺人鬼とつるんで人間を襲う』というレベルまで進歩。
 逆に2~3作目あたりで強調されまくっていた『あきらかに異質なマウンテンマンの特徴や不気味さ』が全く感じられなくなり、正直言って『もう「クライモリ」のシリーズである必然性が全く無いよね?』ってレベルです。

 まあ、それでも内容の方が面白ければ良いんですが、中身の方も何と言うか凡庸なスラッシャーホラーと言う感じ…

 殺人鬼の襲撃シーンは割と定期的に挿入されるのでお話のテンポはそこそこ良い筈なのですが、なんというかとにかく内容が薄くて盛り上がりに欠けるため、お話の進みが物凄く遅く感じてしまって冗長さを感じてしまうのは困りもの。

 また、殺害方法も色々と凝ったシチュエーションを用意して見せ方を工夫しようとしているのは認めるのですが、全体的にアッサリ風味で今ひとつ盛り上がりに欠けるんですよね。
 (まあ、この辺は低予算化の弊害といった感じでしょうか…)
 割と印象に残ったのは、サッカー場で芝刈り機を使って殺害するシーンぐらいかなぁ?

 あと、このシリーズというとマウンテンマンの『とんでもない体力とタフさ』が売りのひとつのハズなのに、妙に凝ったギミックを利用した殺人方法が多くてマウンテンマンらしさが感じられずに、ぶっちゃけ『このネタをこのシリーズでやる必要があるのか?』と感じてしまう部分もあります。

 そもそも、本編でもあからさまに『マウンテンマンをつるんでいる殺人鬼』の方が目立ってたので、いっそ新シリーズでも立ち上げてそういう『殺人ギミック大好きな殺人鬼』でも作り出した方が良かったんじゃないかと…

 またネタバレになってしまうので読み難い文字で書きますが、お話の流れが最後まで主人公たちが一方的に虐殺されるだけで、全く逆転の要素が無くてカタルシスが感じられないのは残念なところ。

 この手の作品では『逆境に立ち向かう主人公』とかってのが、割と重要な要素だと思うんですけど…
 まあ、たまに『視聴者をひたすら精神的に追い詰める』ようなタイプの作品もありますが、そこまで精神的に追い詰められるような怖い映画でも無いですしね。


 総評としましては、色んな要素がある割にはどの要素もいま一歩という『可も不可も無いけど、どっちかというと不可寄りなスラッシャーホラー映画』といった感じの作品です。

 「クライモリ」の3~4作目を観た方でしたら『ほぼ、あのまんまのノリと完成度』と言えばだいたい見当が付くレベルですので、3~4作目に不満を感じたのならあんまり観る必要が無いかも…

 まあ逆に致命的にツマんない部分や出来が悪い部分も無いですので、今までのシリーズ大好きな人でしたら、そこそこ楽しめる一本ではないでしょうか?
 個人的には2作目みたいな、超キモくてグロいノリのマウンテンマンを復活させて欲しい気持ちではありますけどね…