NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ピラニア リターンズ」(60点/モンスター)

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■■■「ピラニア リターンズ」■■■
(60点/モンスター)

 ビクトリア湖で太古のピラニアが蘇って多くの犠牲者を出す事件が起こってから1年後。

 アリゾナ州で「ザ・ビッグウェット」という巨大なウォーターパーク(複合プール施設)を母親から相続したマディは、開園日を控えて準備に追われていた。

 そんな矢先、湖で友人の2人が行方不明になり、正体不明の巨大な肉食魚を捕獲する。

 この魚がビクトリア湖に出没した『古代のピラニア』と同じものであると確信した彼女は当時の事件に関わった生物学者に話を聞きに行く事となるが、古代ピラニアの強靭なパワーを持ってすれば金属を食い破る事も可能なことから『湖の排水溝からプールにピラニアが侵入してくる恐れがある』と言う指摘を受けるが…



 太古から蘇った古代ピラニアの群れが巨大なプール施設を襲うという、モンスターパニック映画。

 昨年、「ピラニア」のリメイクとして公開された「ピラニア3D」の続編に当たる作品で、一応、ストーリー的にも繋がりのある正統な続きのお話ですね。

 前作は「ヒルズ・ハブ・アイズ」等のアレクサンドル・アジャが監督だったのに対して、今作は「フィースト」のジョン・ギャラガーが監督したという事ですが、やはりネタ映画の「フィースト」の監督だけあって前作よりもネタ成分が多目の作りになっている感じです。

 映画の内容的にはオーソドックスなモンスターパニック映画という感じなのですが、こちらも前作に引き続いて3D映画として製作された事もあってか、相変わらず無駄に3D効果を使ってお色気シーンを撮ってたりと襲撃シーンを撮ってたりするのが目立ちますね。

 ノリの方も前作とあまり変わらないと言えば変わらないのですが、何と言うかお色気シーンにせよ襲撃シーンにせよ、全体的に前作よりもパワーダウンした印象。

 お色気シーンに関しては、劇場の大画面で3Dで観たのと比べると迫力が無いせいで物足りなさを感じるだけかもしれませんが、残虐シーンは前作ではホントにグロすぎて気持ち悪くなるようなレベルの過剰さだったのに随分とマイルドになって大幅にパワーダウンした感じ…

 また前作の『底が見えずに逃げ場の無い湖』と違って『水の中が見通せてスグに逃げ出せるプール』が舞台という事もあるのでしょうが、どうにもパニックシーンに怖さや迫力が弱くて盛り上がりに欠けるんですよね。

 なんというか、全体的に前作よりも予算がかかってなさそうな雰囲気を感じる部分もあるので、その辺も影響しているのかも…

 パニックシーンに関しても前作は割と緊張感のあるシーンが多かったのですが、本作は割とネタを仕込んだようなお笑いシーンが多いせいか、いまいち緊張感に欠けるのは残念なところかなぁ?
 主人公や悪役の個性に今ひとつ魅力が感じられなくて、『誰が食われても別に良いや』って感じで観てしまうのも、緊張感があまり感じられない原因かも?

 ただ『ホラーの本質的な要素』では前作に劣る部分が多いのですが、『お遊び的な要素とかお馬鹿な要素』では、前作以上にワル乗りしてて笑えるシーンとかが多いのは良かったですね。

 前作でピラニアに足を食われた保安官が、プラネット・テラー」の主人公ばりに『ショットガンの義足』を装備してピラニアと戦ったりという小ネタが仕込まれていたり…

 アメリカの人気ドラマである「ベイ・ウォッチ」のデビッド・ハッセルホフ(というより「ナイトライダー」の方が有名か?)が、まるっきり「ベイウォッチ」のキャラクターそのままの格好でライフセイバーとして登場してドラマのシーンを再現するネタがあったりと、アホなパロディネタがあちこちに仕込まれていて、ちょっと笑ってしまいました。
 (普通にパニックシーンの途中にそういうネタを仕込んでくるから、怖いシーンがギャグになってしまっているという話も…)

 あと、エンディングの途中で挿入される『本編の未使用シーン』みたいなシーンでの、デビッド・ハッセルホフのノリノリっぷりが、あまりにアホ過ぎて爆笑してしまいましたよ。
 何でナイトライダー」のマイケル・ナイトともあろう人が、こんな映画でそんなに無意味にハッスルしまくりなのか?(笑)

 いやマジに本作の最大の見所は、このエンディングでのデビッド・ハッセルホフのノリノリっぷりに尽きるんではないかと…


 総評としましては、前作に比べると全体的に物足りなさの残る内容ではあるものの、単純にモンスターパニック映画としてみたら『まあまあ及第点かな?』というレベルの作品ですね。

 今回はホラーとしてよりも『ネタ映画』として楽しめる部分も多めですので、同監督が「フィースト」とかで見せた下品な悪ノリみたいなのが好きな人ならば、なかなか楽しめる作品かもしれません。

 まあ強くオススメする程では無いですが、前作が好きだった人やそういうジャンルが好きな人ならば、とりあえずチェックしておいても損はしない一本ではないでしょうか?

 あとデビッド・ハッセルホフのお馬鹿なノリノリっぷりを観てみたいという人も、一見の価値はある作品かもしれません。(笑)