NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「バウンド9」(50点/サスペンス)

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■■■「バウンド9」■■■
(50点/サスペンス)

 森にキャンプに来たテイラーらの4人の男女は、帰り道のガソリンスタンドで『近くでガス欠して立ち往生した』という女性を乗せて送る事となる。

 しかし、その女性に唐突にガスのようなもので眠らされて、目を覚ますと別の5人の男女と一緒に廃墟のような場所に閉じ込められて居る事に気付く。

 彼らは全員が後頭部に奇妙な装置を取り付けられており、誘拐犯と思われる人物からその装置が『脳が痛みを感じた時に生成される物質を収集するためのもの』で、その物質を集める事で解放されるという説明を受けた事から、お互いに拷問を行い『痛み』を与え合って、なんとかして脱出に必要な量の物質を集めようとするが…



 何者かに誘拐された9人の男女が、解放されるために『痛み』を感じた時に発生する脳内物質を集て互いを拷問しあうという、サスペンスホラー映画。

 いわゆる「SAW」とかみたいな監禁型のシチュエーションスリラータイプの作品ですね。

 『お互いに痛みを与え合う事で脱出できる』という設定は、今までに『ありそうで無かった』感じの設定で面白いです。

 ただ設定は斬新なのですがお話の中身の方はこの手の作品のお約束な感じで、何とかして力を合わせて脱出しようとする主人公達にたいして、極限状態で反目しあう連中が居たり、仲間を出し抜いて自分だけは助かろうとする身勝手な奴が居たり…といった展開で、それに加えて『果たしてこの実験を行っている犯人の目的は?』といった要素が絡んでくる感じ。

 「SAW」みたいな『痛そう』系の作品なのですが、爪を剥いだり、ナイフで切ったり、アイロンで焼いたり、熱湯に手をツッコンだり…といった具合にシチュエーションに多少は凝っているものの、「SAW」みたいな殺人トラップとかがある訳でも無いので、今ひとつインパクトに欠ける印象。

 また見せ方の問題なのか、やってる事は割とエゲツないのに『あまり痛そうに感じられない』のは、この作品の本質に関わってくる部分なのでもうちょっと『クドく演出する』なりの見せ方を工夫した方が良かったんじゃないかと…

 あと個人的な観点からツッコませて貰うと、『痛み』を効率的に与えるならもっと良い手段が幾らでもあるだろうに、主人公たちがわざわざ外傷が残る上にあまり効率の良くない手段ばかり取るのは不条理で納得いかなかったかなぁ?

 一番効率が良いのは『心臓を通さないように電流を流す』事ですが、それを知らなかったにしても『沸騰した鍋に手をツッコむ』よりももっと効率の良い方法があるだろうに…

 ストーリーの流れにしても、『拷問シーン』の合間の会話をしてダラダラしているだけのシーンが妙に長いせいで、今ひとつテンポが悪くて盛り上がりに欠けるのはちょっと難点でしたよ。

 終盤の展開も、謎解きの都合上とは言え犯人が無駄にリスクを犯す理由が分らない(まあ『変態だから』と言われれば納得するしかないんですが)ですし、色々と設定に無理がありすぎかと…

 ただ、ラストのオチの持って行きかたはなかなか良い感じで、個人的には割と好きだったかも?


 総評としましては、設定のインパクトの割に内容の方はイマイチ盛り上がりに欠けるという、いかにも『微妙な感じのB級映画』といった感じの作品でした。

 とりわけ悪くも無いのですが特に良い部分もあまり無いといった印象なので、オススメするには少し弱い感じかなぁ?

 予告とかを観てシチュエーションとか設定とかが気になっているならば特に観るのを止める事も無いですが、あえて『コレは観ておけ』という程の要素も無いですので、『まあ気が向いたらお好みで…』といった感じの一本でしょう。