NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ザ・ミッシング 五百年の呪い」(30点/オカルト)

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■■■「ザ・ミッシング 五百年の呪い」■■■
(30点/オカルト)

 ニューヨークのセントラルパークの周辺で、幼い子供が次々と失踪するという怪事件が発生。

 NY市警の刑事であるアレックスは自分の赤ちゃんを殺したという一人の女性の調査をする事となるが、容疑者の女性は『頭の中の声に命じられてやった』という謎の証言を行う。

 そんな矢先に彼は何者かから『犯人を知っている』という奇妙な匿名電話を受け取るが、手がかりを元に調査を進めていくうちに恐るべき事実が判明していき…



 メキシコに伝わる『泣き女』の伝説とそれに絡んだ幼児連続失踪事件を題材とした、オカルトサスペンス映画。

 『泣き女』というとファンタジーの世界では「バンシー」が有名ですが、それとは別にメキシコに伝わる「ラ・ジョローナ」という泣き女を題材とした作品ですね。

 自分はこの「ラ・ジョローナ」という伝説は知らなかったのですが、ラテンアメリカの方では結構有名な話のようで民謡とかにもなっているようです。(その民謡が主題歌として使われています。)

 ちなみに「ラ・ジョローナ」の伝説というのがどういう物かと簡単に説明すると、夫に捨てられた一人の女性が、気が狂って自分の子どもを川で溺れさせて殺してしまい、自分も後を追ってその川で自殺し、その女の霊が『泣き女』となって、川に近寄ってきた子どもを捕えて引きずり込もうとする…

 というような感じの伝説で、本作ではその『泣き女』が何故かニューヨークにやってきて、母親に取り憑いて子供たちを殺してしまう…といった感じのお話ですね。

 メインのストーリーとしては、何故『泣き女』がニューヨークに現れたのか、また彼女を撃退するにはどうすれば良いのか…といった部分が大きな流れとなっていくのですが、主人公の刑事にも実はちょっとした秘密があってこの事件に関わる者として『選ばれた運命』みたいなのがあるのは、なかなか凝った作りで面白いです。
 また、全体に漂う陰鬱で不安定な気分になるような雰囲気なんかも悪くは無い印象。

 ただ、ストーリーが進んでいくにつれて謎が解明されていくのは至極当然な流れとして良いのですが、途中でコレといった事件が殆ど起こらないため中盤の展開が退屈でどうにも冗長。

 全体的に静かな雰囲気の映画で盛り上がる部分も殆ど無いため、ぶっちゃけ途中で2回ほど寝てしまいましたよ…

 また、主人公の過去が今回の事件とシンクロしているのは分かるし設定としては悪くないと思うんですけど、結局それが本編の事件の解決になんら寄与していないので『だから何なの?』って感じになってしまうのは残念なところ。
 せめて、メインの謎解きや事件解決の切り札になるとかなら良かったのに…

 あと事件の解決手段は中盤辺りで示唆されるんだけど、その方法がまた『救いのない内容』でラストも『えっ、ソレで終わりなの?』って感じの投げっぱなしで、何のオチも付いて無いような終わり方なので、ちょっとポカーンとしてしまいましたよ。

 雰囲気は悪くない映画なので、せめてもうちょっと盛り上がる要素があってオチがシッカリとしてれば、それなりに面白い作品になったと思うんですがねぇ…


 総評としましては、どうにもこうにも盛り上がる要素が無くて『微妙としか言いようが無いような作品』です。

 「泣き女(ラ・ジョローナ)」という他に無い題材を扱っている事や、作品全体の雰囲気なんかは悪くは無いので見るべき要素が全く無いという訳ではないのですが、それを差し引いてもお話が地味すぎ&微妙すぎでしょう…

 まあ自分の知る限りでは同じ題材を扱っている作品は他に無いですし、そういったジャンルものを押さえておきたいというのであればチェックしておく事を止めはしませんが、そうでなければ余程オカルトサスペンスが大好きとかで無ければスルーしてしまっても良い作品ではないかと思いますよ。