NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「アイス・トレマーズ」(20点/モンスター)

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■■■「アイス・トレマーズ」■■■
(20点/モンスター)

 休暇を利用して家族の4人で湖上でのアイスフィッシングに訪れたデヴィットらは、湖上にコヨーテの死骸を見つけたりまる1日まったく当たりが無かったりと、例年と異なる部分に気付きつつも家族での休暇を楽しんでいた。

 しかしそんな矢先に、氷の下にを泳ぐ巨大な魚のような生き物を目撃。

 彼らと同じように家族で釣りに訪れていたスティーブンらの親子は、その巨大魚を吊り上げるべくレイたちに協力を求めるが、その日の夜に夜釣りを行っている最中にスティーブンの息子が、巨大魚によって湖の中へと引きずり込まれて大怪我をしてしまう。

 なんとか彼らの救出によって一命を取り留めたスティーブンの息子だったが、水の中に引きずり込まれた彼は『巨大魚には足があった』という奇妙な事を言い出し…



 凍結した湖上にアイスフィッシング(ワカサギ釣りみたいなの)に訪れた一家が氷の下から現れた謎のモンスターに襲われるという、モンスターパニック映画。

 「アイス・トレマーズ」というタイトルとパッケージのイラストから、てっきり『氷の下からワニのような巨大生物が出現して人間を襲う』というお話なのかと思いきや、実際の中身の方は全然そんな内容じゃなくてトレマーズ」とは全く違う縁もゆかりも無いようなお話でした。
 (と言うか、よく見たらパッケージが思いっきり「マンイーター」のパクりだな…)

 本編に登場するモンスターはいわゆる『半魚人』みたいな生き物で、なんでも地球温暖化の影響で古代生物が復活したのだろう』というような感じの設定なのですが…
 流石に『こんな謎の二足歩行生物が古代生物ってのには無理があるだろう…』と思いつつも、よく考えたら元ネタである「大アマゾンの半魚人」とかも古代生物の生き残りという設定だったので、シリーズの伝統という感じなのでしょうか?

 まあ半魚人が出てくること自体は別に良いんですが、このパッケージのイラストと「トレマーズ」というタイトルはいったい何だったのかと…
 一応、怪物が人間を感知する方法が『氷の上の振動』という設定なのが僅か(わずか)にかすっている程度で、「トレマーズ」というタイトルを付けるのは流石に無理矢理すぎです。

 まあ「トレマーズ」というタイトルが無理があったとしても本編が面白ければ良いんですが、本編の方がコレまた微妙な内容です。

 お話の流れとしては、氷上で釣りをしていた2つの家族が深夜に湖から現れた半魚人たちに包囲されて湖上のキャンピングカーから脱出できなくなるという感じなのですが…

 モンスターが登場するまでの展開が物凄く冗長で、襲撃シーンも少なくてとにかくダルいシーンが多い。

 登場したあとも、モンスターがあまり攻撃に積極的じゃないので今ひとつ緊張感が無いですし、主人公達も状況に流されてるだけでモンスターを倒そうとかの行動をあまり取らないので盛り上がりに欠けます。

 また、肝心の襲撃シーンも短くてモンスターの姿のチラっとしか写らないですし、攻撃方法もヒレで斬りつける以外は湖の中に引きずり込むだけなので、どうにも見せ場が乏しい印象。
 半魚人の特撮もどうみてもただの着ぐるみ風ボディスーツなので、面白味もなにも無いですしね…

 あと途中でいかにも意味ありげに説明された『半魚人の毒』も、最後までどんな効果があるのかサッパリ分からないままですし、ラストも何の解決もしないまま『だから何なんだよ?』って感じの終わり方で、見終わった後にも何のカタルシスも得られずに全くスッキリしません。

 『巨大な湖の上で氷の下からモンスターが襲ってくる』というシチュエーションや『極寒の状況下から脱出できない恐怖』という設定は割と面白そうなのに、そのシチュエーションを全く活かせてない辺りが難点ですかねぇ?
 せめて低予算なりにシチュエーションを活かして、もうちょっとメリハリのある展開にすればそれなりに楽しめる作品になったと思うんですけど…


 総評としましては、なんというか『物凄く退屈で微妙なモンスター映画』としか言いようが無いような作品です。

 B級映画らしいイキオイも無いですし、トレマーズ」ってタイトルに釣られて観たとしても「トレマーズ」っぽい部分は微塵も無いですし、全くどうしたものかって感じの一本でしたよ。

 正直あまりオススメできる内容ではありませんが、まあシチュエーションが気になっているようなら、TV放映とかの際にでもチェックする程度で良い作品だと思います。