NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「レザボア・ヴァンパイア」(50点/コメディ)

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■■■「レザボア・ヴァンパイア」■■■
(50点/コメディ)

 ヴァンパイア達が人間の中にまぎれ、人間の血を吸わないようにしながら姿を隠して暮らしている世界。

 吸血衝動を抑えきれずに恋人を食い殺してしまった吸血鬼のヴィックは、治療を行うためにヴァンパイアの治療協会に通う事となる。

 協会での検査で『羊』の血液が適合タイプだと判断された彼は、ノースカロライナのロック・クリークという羊の放牧が盛んな田舎町で移り住むが、羊が立て続けに行方不明になった事から牧場主たちの警戒が厳しくなり栄養失調気味になっていく。

 更には、街のならず者たちに絡まれて彼らを殺してしまった事から、『暗殺会社』の派遣した暗殺者に命を狙われる事となり…



 ヴァンパイアが人間に紛れて暮らす世界で『人間の血を吸わないための治療』を受ける事となった一人のヴァンパイアが思わぬトラブルに巻き込まれるという、コメディホラー映画。

 「レザボア・ヴァンパイア(掃き溜めのヴァンパイア)」ってどういうタイトルだよ…と思いきや、どうやらお話の内容ではなくレザボア・ドッグス」のマイケル・マドセンがヴァンパイアのマフィア役で出演して居る事から付けられたタイトルのようです。

 まあ当然ながら「レザボア・ドッグス」とは何の関係も無いお話ですが、マイケル・マドセンのマフィアっぽい配役や「レザボア・ドッグス」のパロディを意識したっぽいシーンもあるので、完全に的外れなタイトルという訳でも無いのかな?
 (つってもマイケル・マドセンは脇役ですし、ストーリーも似ても似つかないような話なんですが…)

 ストーリーとしては、いわゆるアルコール依存症の人間が治療のために参加する『禁酒協会』の吸血鬼版みたいな感じの世界観で、血を吸わないための『治療プログラム』に参加する事となった主人公が、プログラムの最中に思わぬトラブルに巻き込まれていく…といった感じのお話です。

 『ヴァンパイアの社会復帰のための更生プログラム』的な設定は独創的ですし、禁酒協会のパロディっぽい序盤~中盤までの展開はなかなか面白いのですが、イデアを今ひとつコメディ要素に落としきれて居ない印象があるのは残念なところ。

 ヴァンパイアが治療の為に羊を襲うってのは一発ネタとしては面白いんですが、所詮は一発ネタなので映画1本のネタとするにはインパクトが弱いです。

 また主人公もマジメに治療に取り組もうとしてる割にはアッサリと町のゴロツキとかを殺しちゃったりするので、ブラックユーモアを主体にしたいのかと思いきや、そういう訳でも無さそうな印象。

 何かコメディにしてもパロディにしても描きたい方向が中途半端で、どちらの方向にも振り切れてないのでイマイチ盛り上がりに欠けます。

 終盤の展開は、特に方向性のブレが顕著で『暗殺会社』の暗殺者との戦いも中途半端だし、オチも何の解決もしてないままの投げっぱなしみたいなオチ(一応ラブストーリーとしては完結してるか?)で、色々と詰め込もうとしたものの最後まで方向性が定まらないまま終わってしまったような感じですねぇ。

 もうちょっと作品や主軸やパロディの主題がシッカリとしてれば、そこそこ面白い作品になったと思うのですが、ちょっとグテグテになりすぎてしまった感があるのは惜しいところかなぁ?


 総評としましては、酷い出来だと言う事も無いのですが『全体的に今ひとつ感の漂うコメディホラー映画』って感じですね。

 アイデア自体は悪くなかったと思うので、もうちょっと方向性がハッキリさせて脚本がこなれてれば良かったと思うのですが…

 まあ『ネタとして観てみる程度』ならそれなりに観れる映画ではあると思うので、気になっている方はチェックしてみても良いんでは無いでしょうか?