NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ピラナコンダ」(35点/モンスター)

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■■■「ピラナコンダ」■■■
(35点/モンスター)

 ハワイ島のジャングルで低予算のホラー映画を撮影するディレクターのローズらは、予算関係のトラブルから撮影が急遽打ち切りとなったため、ジャングルから引き上げる事となる。

 しかし帰り道の途中で身代金目当てのギャングたちに遭遇、スタントマンのジャックらはなんとか逃げ延びるものの、他のメンバーは拉致されてしまう。

 彼女たちはギャングによって、近くを調査していたという生物学者であるラブグローブ教授と一緒に廃工場に監禁される事となるが、その教授がポリネシアの伝説に登場する「川の悪魔」と呼ばれる大蛇の卵を隠し持っていた事から、伝説の怪物に命を狙われる事となってしまうのだった…



 ハワイのジャングルで映画の撮影を行うスタッフとギャングたちが伝説の巨大蛇に襲われるという、モンスターパニック映画。

 まず内容うんぬんを語る前に、頭がピラニアで胴体が大蛇の怪物に「ピラナコンダ」って『どんだけ安易なネーミングなんだよ!!』という部分にツッコミを入れずには居られないようなタイトルの映画なのですが、オープニングのクレジットで制作にロジャー・コーマンの名前を見つけて、何と言いますか鑑賞する前に『全てを得心したような気分』になってしまいましたよ。(笑)

 まあいつものロジャー・コーマンらしい、低予算でコテコテのハチャメチャ系モンスター映画といった感じの作品ですね。

 設定からして、ハワイのジャングルに特に理由もバックボーンもなく『全長30mで頭がピラニアで体が大蛇の怪物が出現する』って時点で既に『そんな無茶な…』って感じなのですが、それ以外の部分でもとにかくツッコミどころ満載な内容。

 モンスターは一応ポリネシアの伝説に登場する怪物』という設定ですが、当然ながら実際にはそんな生き物の伝承は無いですし、怪物の変異する原因になったっぽい『幻の蘭』みたいな設定も語られるんですが、ソレってもしかして単に「アナコンダ2」のパクリ…もといオマージュなんじゃ…

 ストーリーの流れもかなり適当な感じで、序盤はジャングルで映画の撮影をしているスタッフの所に怪物がやってくるって展開なのですが、実質的には中盤ぐらいまでは怪物と主人公たちが絡むシーンは殆ど無し。

 それだとどうにも盛り上がらないためか『とりあえず退屈させないために怪物を出しておこう』的なノリで、特にコレといった前振りも無く主人公たちの見てないところで『ビキニやキャミソールを着た薄着のお姉ちゃんがモンスターに襲われるシーン』が挿入されるという、ある意味で『モンスター映画の事を良くわかってる』とも取れるようななんともアバウトな作りです。

 でも、それだけならまあ話の流れとして分かるんですが、途中で映画の撮影が中止になって主人公たちがジャングルから引き上げる事になる時に、スタッフの何名かが既に怪物に食われて行方不明になってるのに、『特に捜索もせずにジャングルから引き上げようとする』とか色々と設定がおかしすぎるだろ。(笑)
 (って言うかスタッフが怪物に食われたんじゃなかったら、ジャングルに放置されたら困るんじゃないか?)

 中盤以降はイマイチ盛り上がらない話を盛り上げようとするためか、ストーリーに誘拐犯たちが関わって来たりするのですが、お話の流れとしてはむしろそちらがメインといった印象でどうにもピラナコンダの影が薄い。

 というか、怪物がせっかく『全長30mで頭がピラニアで胴体が大蛇』とかって大層な設定を持ってる割には、その設定を活かすようなシーンが全く無くて、むしろ『怪物が居なくてもストーリーが成立するんじゃない?』って言うぐらいの印象に残らないレベル。

 まあ、お話自体はそれなりにテンポは良くて絶望的にツマんないって訳でも無いんですが、とにかく怪物が派手な設定の割にはガッカリ感が強くて、ラストの展開も誘拐犯の悪役も怪物もやけにアッサリ倒されて盛り上がりに欠ける感じで、なんとも山場となる見所に欠ける感じの映画でしたよ…


 総評としましては、タイトルのインパクトが全ての『出オチ映画』といった感じの作品でした。

 まあ良くも悪くも『いつものコーマン監督作品』といった感じの内容なので、その手の『B級というよりもD級ぐらいのダメダメっぷり』を堪能したいというのであれば観てみても良いんかじゃないでしょうか?
 とりあえずネタ映画としての『ツッコミが目的』ならば、最初から最後までツッコミを入れ続けられるぐらいにツッコミどころは満載ですので。(笑)

 あとタイトルのインパクトが凄いおかげでそのうちTV東京辺りで放映されそうな気もするので、急がない人はその辺を待っても良いかもしれませんよ。