NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「Z108地区~ゾンビ包囲網~」(45点/モンスター)

イメージ 1

■■■「Z108地区~ゾンビ包囲網~」■■■
(45点/モンスター)

 台北の製薬工場で大事故が発生。
 研究中の新種のウィルスが解き放たれた事によって「108地区」は瞬く間にゾンビの大群によって包囲されてしまう。

 警察のSWATチームは逃げ遅れた人たちを助けるために108地区に突入するが、ゾンビの発生に気付かなかった地元のギャング達は警察が自分たちを捕まえに来たものだと勘違いして状態に…

 しかしゾンビの発生に気付いた彼らは、警察と力を合わせてなんとかしてこの窮地を脱出しようとするが…



 台北の街で発生したゾンビの大群から生き残るために警察とギャングが協力して戦うという、台湾製ゾンビ映画

 東洋のゾンビ物というのは最近は増えてきたとは言えまだまだ珍しいジャンルですが、この手の映画は『製作者がイキオイだけで作ってる』ってのは全世界共通だと感じさせる作品ですな。

 本作もご他聞に漏れず、思いっきり低予算ながらもアクションを取り入れようとしたり、グロとエロの描写をふんだんに取り入れようとしたり、色々と趣味全開の内容といった感じで、なかなか楽しませてくれます。

 ただイキオイを持たせようと、ゾンビ以外にも『警察とギャングの抗争』を描いたり『強姦魔』や『シリアルキラー』を登場させたりとか、色んな要素を詰め込もうとしている努力は認めるのですが…

 全体的に構成に荒削りな部分が多いせいで、ゴチャゴチャしすぎて話の訳が分からなくなりかけているのは難点ですかねぇ?

 メインの登場人物を多く登場させて『群像劇』っぽいのを描きたかったのかもしれませんが、登場人物の視点が予告も無く頻繁に切り替わる事や、メインキャラと思ってたキャラがあっさり殺されたりするせいでお話のメインストーリーが見え難いのも困りもの。

 主役級のキャラにも今ひとつ突出した個性が感じられないため、最後まで何処を中心に話を観たら良いのか分からずに、全体的に散漫な印象を受けてモヤっとした気分になってしまいましたよ…

 特撮とかに関しては低予算だけあってショボめですが、血糊は割とドバドバ出るのでそれなりに迫力はある印象。
 ただ、ゾンビの襲撃シーンは多い割にはアクションが全体的に迫力がなくて、今ひとつ山場に欠けるのは勿体無いかなぁ?

 もうちょっと見せ場をハッキリとさせて、そのシーンに注力して描いた方が良かったんじゃないかと…

 また、あの気色の悪い強姦魔は『エロ担当』として出したかったのは分かるんですが、『あそこまで重要なキャラとして描く必要があったんかいな…』という気がするのは自分だけですかね?

 追い詰められた人間の狂気を現すキャラとしても微妙(そもそも最初からキチガイっぽいし…)ですし狂言廻しとしてもいま一歩でしたし、正直言って単に胸糞が悪いだけで不快感しか残らなかったのですが…

 あとラストの展開がちょっと消化不良気味だったので、哀しい感じのお話にしたいならもうちょっとシッカリと主人公のキャラクターを描き込んでおいて欲しかったかも?


 総評としましては、荒削りだけどイキオイだけは感じられるという『典型的な低予算ゾンビ映画って感じの作品ですね。

 不満点やツッコミどころは多いけど『頑張ってるのは認められるかな?』ってタイプの映画ですが、まあ佳作レベルと呼ぶには厳しい作品ですし割と悪趣味でスッキリしない内容ですので、そういう方向性が苦手ならスルーしてしまっても良いかも?

 逆にそういうノリに抵抗が無ければ、数の多くない『東洋製のゾンビ映画』という事ですし気になるならばチェックしてみるのも良いかもしれません。