■■■「インブレッド」■■■
(55点/スラッシャー)
更生施設の保護観察官であるジェフとケイトは、4人の少年犯罪者たちに奉仕活動を行わせるために、とある週末に人里離れたヨークシャーの片田舎にある田舎町へと訪れる。
ナビの不調で道に迷いながらも、カーナビにも載っていないモートレークという奇妙な町へと辿り着いた彼らは、町の様子に不審なものを感じつつもボランティア活動を開始する。
しかし、かつて『異常者を隔離するための収容所』があったとされるこの町は、いまや地図上からも抹消された異常者の巣窟と化していたのだった…
奉仕活動のために英国の片田舎へと訪れた少年たちが『狂人ばかりの住む町』で恐るべき恐怖に遭遇するという、スラッシャーホラー映画。
欧州系のスラッシャーホラーは、『変態チックな作品』やら『ゴア表現のキツいキワモノ作品』が多いという事で有名ですが、本作もいわゆる変態チックなキワモノタイプの作品って感じの内容ですね。
予告では『残虐シーンが激しすぎるので気の弱い人は観ないで下さい』みたいな感じのアイキャッチが付けられているのですが、大げさな売り文句の割には思った程でも無かったかなぁ…ってのが正直なところ。
お話の内容としては、怪しい田舎町を訪れた若者たちがキ●ガイの住人たちによって『殺人ショー』で(言葉どおりに)血祭りに挙げられるという、「マニアック2000」とかそんな感じのストーリーなのですが…
まず序盤の最初の事件が起こるまでの展開の『不気味な雰囲気作り』がイマイチなせいで、ちょっと盛り上がりに欠けて冗長さを感じてしまう印象。
でも、中盤の『殺人ショー』が始まってからの展開はなかなか良い感じで、住民の全員が怪しげなマスクを付けてショーを観に来る姿とかは、いかにもキ●ガイっぽくて雰囲気も非常に良く出ています。
ただいかんせん勿体無いのは、この『殺人ショー』のシーンが意外と短くて最大の見せ場の割には意外とスグに終わってしまうんですよね…
後半は『主人公たちと町の住民たちの追跡劇』みたいな展開になって、そのシーンでもそれなりに残虐シーンとかはありますし、仲間が殺されてもニヤニヤと笑いながら追ってくる住人たりのクレイジーっぷりも良い感じなんですが、中盤の『殺人ショー』のシーンに比べると盛り上がりに欠けるため、どうにも『尻すぼみな感じ』が拭えないのが残念なところ。
また『殺人ショー』のシーンも、やってる事はエゲつないんだけどビジュアルとして観ると今ひとつ盛り上がりに欠けるような展開が多くて、ちょっと食い足りなさが感じられてしまうのが惜しいです。
あの辺のシーンはあの倍ぐらいのボリュームで、もっとガッツリと尺を取ってエゲツなく描いて欲しかったですよ。
ラストの展開とかもやたらとアッサリしてて盛り上がりに欠けますし、なんというか悪くは無いんだけど物足りなさの残る内容なんですよね。
グロいシーンとか特撮の派手さとかは十分に及第点のレベルを満たしているので、その辺のシーンをもっと盛り上げる感じの構成&演出にしてくれてれば、『やりすぎお馬鹿ホラー』的なノリの楽しい作品になったと思うんだけどなぁ…
総評としましては、『宣伝文句に違わぬ変態っぷり』は良い感じなのですが、ゴアムービーとしては全体的に『若干の物足りなさの残る内容』といった感じの作品です。
まあでも不満はあれど、その手の『グロくてエグい映画』が大好きな人ならばそこそこ作品ではあると思いますので、そういうジャンルが好きならばチェックしておいても損は無い一本だと言えるでしょう。
『悪くは無い部分』も多いんだけど『ちょっと物足りなさを感じてしまう部分』も多い作品でしたので、ちょっと惜しい印象の残る映画でしたよ。