NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「吸血怪獣 チュパカブラ」(35点/モンスター)

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■■■「吸血怪獣 チュパカブラ」■■■
(35点/モンスター)

 出産を間近に控えたマリアは、赤ちゃんが生まれるまでの期間を夫のドゥグラスの故郷である寂れた森の中の村で過ごす事となる。

 そんな矢先、実家のヤギや番犬が何者かに惨殺されるという事件が発生。
 家のものたちは皆が彼等と対立するカルヴァーリョ家の仕業だと考えるが、事件を目撃した父だけは森に棲む悪魔『チュパカブラ』の仕業だと主張し、チュパカブラを退治しようと見張りを開始する。

 その夜、たまたま酒場でカルヴァーリョ家とトラブルを起こしてしまった帰りに、森の中で父が何者かによって惨殺されているのを発見した彼らは、カルヴァーリョ家の仕業に間違いないと考え、銃を手に復讐へと立ち上がるが…



 ブラジルの森の中の村に訪れた若い夫婦が、伝説の怪物『チュパカブラ』の恐怖や一族間の争いによる血の惨劇へと巻き込まれていくという、モンスターホラー映画。

 なんというか、良くも悪くも80年代のスプラッタ映画の全盛期を彷彿とさせるような、『イキオイだけのホラー映画』って感じの作品ですな。

 なんでも、ホラー映画界でカルト的な人気を誇るブラジルのホラー映画監督であるロドリゴ・アラガオによる新作という事ですが…
 ぶっちゃけ私はこの監督の事を全く知らなかったのですが、まあ確かに熱意やイキオイは物凄く感じられるので、注目されている新人という感じなのかな?

 肝心の映画の方は、中身の方もまんま『80年代の低予算ホラー』みたいな感じの内容ですね。

 とにかく『無駄に血飛沫が飛び散りまくる残虐シーン』がメインという感じで、『ストーリーとかは二の次三の次』ってぐらいにアバウトな印象。

 何が凄いって、パッケージにデカデカとチュパカブラの画像と一緒に『生存率0%』とか書いてる訳ですが、実際の本編には肝心のチュパカブラが殆ど出て来ない事!!

 確かに登場人物の殆ど全員が命を落とすという凄い展開なんですが、殆どが一族間の抗争で命を落としててチュパカブラに殺されてるのはほんの一握り程度。

 チュパカブラの特撮も80年代の特撮番組ばりの『戦隊物の着ぐるみレベル』で、コレってパッケージに釣られてチュパカブラの大活躍を楽しみに観た人が居たらマジギレするだろ?』ってレベルです。(笑)

 だからといってこの映画がどうしようもない作品かというとそうでも無くて、とにかくイキオイとテンションだけは無駄に高い感じで、この『一族間の抗争』とかからして残虐シーンのオンパレード。
 この『作り物感まる出しの血みどろゴア描写』は、過去のスプラッタブームを知ってる人なら懐かしい気分に浸れる感じ…

 また一族間のドロドロとした争いをメインに据えながら、オマケ(ホントにオマケ扱い)でチュパカブラが登場したり、唐突にカニバリズムを行う『謎の魔術師』が登場したりして、『もう訳が分からんわ!!』と素でツッコミを入れたくなるぐらいにグテグテの内容。

 ただグテグテながらも、とにかく『面白そうな要素を色々と詰め込もう』というサービス精神や、監督の『自分の撮りたいものはコレなんだ!』という感じの一種の清々(すがすが)しさが見て取れるのは良い部分だと言えるでしょう。

 まあ映画の内容がアレなので、この作品に『清々しさ』を感じられる人間は世の中にあまり居なさそうな気がするのは難点ではありますが…


 総評としましては、色々と雑な部分やツッコミどころが多すぎてとても誉めれるような内容では無いものの『とにかくイキオイだけは感じられるゴア系モンスター映画』といった感じの作品ですね。

 そういうノリが大好きな人であれば恐らくは楽しめる作品だと思いますが、逆にそういう方面に興味が無い人であれば『訳が分からないグテグテの映画』と感じてしまうような作品だとも言えるでしょう。

 まあ、80年代とかに良くあったタイプの『イキオイだけのスプラッタ映画』とかのノリが大好きで、そういう作風に期待して観るのであればチェックしてみても良い一本では無いでしょうか…