■■■「シャーク・ウィーク」■■■
(25点/サスペンス)
世界の各国から絶海の孤島に拉致されてきた8人の男女。
彼らは大物の麻薬ディーラーであるティブロンという男に、『毎日一種類づつの違う種類のサメを使ったトラップ』をかわして島の反対側まで生き延びれば助かるという生死を賭けたゲームに強制的に参加させられる事となる。
お互いに見ず知らずで繋がりの無い関係に思われた彼らだったが、ティブロンの息子の死に直接的・間接的に関わった人間たちだと知り、なんとか力を合わせて死の罠を乗り越えようとするが…
拉致された8人の男女が『サメを使ったトラップが仕組まれた孤島』から脱出しようとするという、生物パニック風味のサスペンスホラー映画。
なんかパッケージやタイトルからして、いかにも「シャーク・ナイト」のパクリっぽい感じですが、どこの映画かと思いきやパクリと二番煎じネタで有名なASYLUMの新作映画ですね。
もはや『またアサイラムか!!(笑)』と半笑いになってツッコミを入れたくなるレベルですが、内容の方もいつものアサイラムらしいクオリティといった感じのお話で、『間違えて借りてしまった人はご愁傷様でした…』としか言いようが無いような作品です。
お話としては『孤島に拉致された8人の男女がサメを使ったトラップを生き延びていく』というシチュエーションスリラー的な内容で、設定だけ聞くとなんだか割と面白そうに感じるのですが、コレが何故か驚くほどにツマんない…
というかアサイラムの映画って、本作に限らず『設定だけ聞くと良さそうな話』は多いのに、何でここまで残念な出来のものが多いんだろうか?
ストーリーの流れとしては8人の男女が1日一つづつ遭遇する『サメを使ったトラップ』に挑んでいくという展開で、それなりに定期的に見せ場があって良さそうな印象を受けるのですが…
このトラップが殆ど全てのシーンが『下半身が水につかった薄暗い洞窟のような場所でサメに襲われるだけ』という感じなのと、サメの襲撃も単に犠牲者にツッこんで来るだけで面白味が無い事もあって、ビックリするほど単調で観ていて物凄くダレます。
(毎回『違う種類のサメ』と言いながら、サメごとの個性が殆ど感じられないですし…)
襲撃シーン自体は、やや安っぽい感じのCGを血飛沫や水飛沫で誤魔化しているだけなものの、B級映画としては『並み』ぐらいのレベルで壊滅的に酷い訳でも無いのですが、何でここまで退屈に感じるんだろうと不思議に思ってしまう程です。
サメの襲撃シーンが退屈だと書きましたが襲われてないシーンは当然ながらもっと退屈で、基本的な流れは主人公たちがずっと同じような海岸みたいな場所を歩いてるだけで、謎解き要素はあるものの『それが分かったからどうだって言うんだよ?』って言うような謎解き…
ストーリーの方もツッコミどころが満載で、『どう考えてもここでサメと戦う必要ないよね』みたいな状況でサメと戦ってみたり、ラスボスも殺されるためだけに主人公たちの前にノコノコと顔を出したりと、もうちょっと考えて作れよと言いたくなるレベル。
本作に限らずアサイラムは『このシチュエーションと予算があればもう少し面白い作品に出来るだろう?』と言う感じの作品があまりにも多いのですが、もしかしたら『パチもんのタイトルを間違えて借りてしまった人間をガッカリさせるために、わざとツマんなく作ってるのか?』って感じの疑念を抱きたくなってしまいますよ…
総評としましては、一言でまとめるなら『「シャーク・ナイト」のパクリの残念映画』としか言いようが無いような作品です。
「シャーク・ナイト」が気に入ったからといって本作に興味を持ったような方は、誤って借りてしまって痛い目を見ないように注意しましょう。
まあ、パクリネタの映画としてチェックしておきたいというマニアの方なら観るのは止めませんが、普通にツマんないというか『微妙すぎてツッコミどころも弱い』ですので、その辺は覚悟完了してから鑑賞してみてください。