NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

劇場にて「HK 変態仮面」を観てきました。

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 『ドMで正義感の強い刑事の父』と『SMの女王様の母』の間に生まれた色丞狂介は、父親譲りの強い正義感を持ちながらもケンカには滅法弱いというアンバランスな性格のため、少しでも強くなるために高校の拳法部でトレーニングを続けていた。

 そんなある日、彼のクラスに転校してきた美少女の姫野愛子がサラ金会社に押し入った強盗に人質に取られるという事件が発生。

 現場を目撃した彼は持ち前の正義感から彼女を助け出そうと建物に侵入し、強盗の仲間に成りすまして犯人に近づこうとするが、覆面を被ろうとした際に誤って女性のパンティを被ってしまう。

 しかしその瞬間に彼のDNAに刻み込まれた変態の両親の血が目覚めし、変態のエクスタシーを感じる事によって人間の限界を超える力を発揮する『変態仮面』へと変身。
 正義のヒーローとして覚醒した彼は、その力によって街にはびこる悪と戦うようになるが…

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 『女性のパンティを被る事によって変態パワーを覚醒させた主人公』が正義のヒーローとして悪と戦うという、ナンセンスコメディアクション映画。

 90年代に「週間少年ジャンプ」で連載されていたオッサン世代にはお馴染みのギャグ漫画である究極!!変態仮面を、「勇者ヨシヒコ」の監督が実写映画化したという色んな意味での問題作ですね。

 ぶっちゃけ『何で今更、この作品を実写映画化なんだよ!?』という時点でツッコミどころ満載なので、内容には全く期待せずにネタ程度のつもりで観に行ったのですが…

 予想以上にホントに面白くて、ちょっと得をしたんだけど何だか悔しい気分です。(笑)

 お話の内容はいわゆるヒーローもののパロディがベースといった感じで、そこまで原作に忠実という訳では無く映画向けに結構アレンジされている感じのストーリー。

 ただ非常に分かりやすい王道的なストーリーなので、アレンジされている事に対して不満を感じるような内容ではないですし、原作のテイストや決めゼリフなんかはシッカリと活かされているので、原作ファンでもそこまで不満は感じなさそう?

 ストーリーそのものはベタベタで何の捻りも無いみたいなノリなのですが、とにかくテンポ良く小気味の良いギャグが連発される感じで、その小ネタやギャグのテンポが良くてちいち面白いのが良い感じ。

 「勇者ヨシヒコ」以上にギャグの間の取り方とかが非常に上手くて、単純にお笑いネタとしての完成度が高いです。

 そしてそれ以上に感心させられたのが、主人公の変態仮面」のポーズやら動きやらの再現度の高さ!!

 物凄くムキムキマッチョなナイスバディの男が、怪しげな悩殺ポーズを取りながらモデル立ちのすり足で近寄って来るシーンは、ホントに『物凄く…変態仮面です……』って感じであまりにキモすぎて笑わざるを得ません。

 実際に主役の鈴木亮平氏が、1年間ジムに通って体を鍛えまくったうえに、原作を物凄く読み込んでポーズとか動きとかを研究しまくったらしくて、原作を読んでたオッサン世代としては再現度の異様な高さに本気で感動を覚えるレベル。
 でも感動を覚えると同時に『お前はソレで良いのか?』というツッコミの気持ちも抱かざるを得ませんが…(苦笑)

 また再現度だけじゃなくてアクションシーンなんかも意外と良く出来ており、低予算ながらもそこそこ観れるレベルに仕上がってるのも良いですね。

 ただ全体的にギャグもアクションもテンポが良くて面白いんだけど、中盤で主人公が葛藤するシーンで少しテンポを崩すのが残念なところかなぁ…
 あとスパイダーマン」のパロディは、まあ言いたいことは分かるが無くても良かっただろ。(笑)

 またコメディ的な演出を狙ったんでしょうけど、殆ど全てのシーンで演劇のようなオーバーアクトなのがちょっと気になった(というか観てて疲れる)部分かも?


 総評としましては、個人的にこういうアホ臭い『バカを全力でやってる』系のノリは大好物なので、予想以上に非常に楽しめた作品でした。

 ナンセンスギャグとかが好きで下ネタ系にあまり抵抗がない人であれば『ごく普通に楽しめる作品』だと思いますので、そういうノリが好きならば観ておいて損は無い一本だと言えるでしょう。
 特にバラエティ番組とかミニコント的な小ネタが好きな人にはオススメかな?
 (というか「勇者ヨシヒコ」の下ネタ版みたいな感じ?)

 まあ、基本的にかなりの低予算作品なので『深夜ドラマとかでも良かっただろ?』ってレベルではありますが、コレを地上派で流すのは色々と問題があるかもしれませんので『映画化した価値があった作品』と言えるのかも…
 とまれ、かつてのジャンプでこの漫画が好きだった人とかバカ映画が好きな人が『ネタのために観に行く』というのであれば、十分にその価値はある一本だと思いましたよ。