■■■「ドリームハウス」■■■
(65点/サスペンス:結構オススメ)
家族との時間を大切にするために会社を退職しフリーになって第二の人生を歩むこととなったライターのウィルは、新居として中古の一戸建ての家を購入する。
しかし、新居で暮らし始めてから数日後、幼い末娘のディディが深夜に窓の外から中の様子を伺う男の人の姿を見たという奇妙な話を皮切りに、家の周辺で不気味な現象が起こり始める。
最初は新たな環境に馴染めない子供たちの錯覚だと考えていたウィルだったが、近所の住人から『かつてこの家で一家が惨殺される殺人事件があり、その容疑者だが心神喪失で無罪となり療養施設に入れられていた父親のピーター・ウォードという男が退院後に行方不明になっている』という驚くべき事実を知らされ…
新居で生活を始める事になったとある家族が、その家にまつわる驚くべき真実を目の当たりにする…というサスペンススリラー映画。
「007シリーズ」でお馴染みのダニエル・クレイグ主演によるサスペンス映画なのですが、ダニエル・クレイグは体はマッチョなんだけど割とうらぶれた感じの疲れた男性というイメージがあるので、こういう神経質なキャラの方がハマリ役だと思います。
お話の方は、割と『ネタバレに注意しながら語らないとならないようなタイプ』のサスペンスなのであまり詳しくは言えませんが、いわゆる『どんでん返し』系の作品ですね。
サスペンスとしてのネタの仕込みなんかは割と丁寧なのですが、この『どんでん返し』がかなり予想していないタイミングでいきなり来るので、自分は途中でちょっとストーリーに付いていけなくなりそうになってビックリしてしまいましたよ…
が、お話の組み立て自体は非常に面白くて、単純なサスペンスではなく一人の男の悲哀や家族愛のようなものも描かれており、このシーンのダニエル・クレイグがなかなかのハマり役で非常に良い味を出しているのは好印象。
中盤以降の展開は割と良い意味で『観るのが辛い内容』になっており、予想外の構成ながらも意外にも面白いです。
ただドラマ部分に重視を置いた作品であるためなのか、お話のテンポがちょっとスピード感に欠けるのと、サスペンスとしては少し緊張感に欠けるのは難点ではありますね。
またオチの付け方なんかも非常にキレイで『ちょっと良い話』風に仕上がっているのも良い感じですが、予想外の『どんでん返し』の部分に対してラストの展開や『事件の真相』の方は割と簡単に予想が付いてしまうのは、ちょっと残念なところですね。
まあ非常に分かりやすいハリウッド的な展開なので、個人的には嫌いじゃないですけどね…
総評としましては、あまり期待しないで観てみたら意外と面白かったという感じの、ちょっとした『掘り出し物的なサスペンス映画』ではありますね。
この手の『どんでん返し』系のサスペンスが好きな人であれば、なかなか楽しめるタイプの作品だと思いますので、その手の作品が好きであれば観ておいても損は無い一本だと言えるでしょう。
個人的には予想外ながらも普通に楽しめた作品でしたので、B級の佳作サスペンスを求めているならばなかなかオススメだと思いますよ。