NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「セブン・ナイト・イン・アサイラム」(15点/オカルト)

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■■■「セブン・ナイト・イン・アサイラム」■■■
(15点/オカルト)

 2010年の4月30日。
 アメリカの視聴者参加型のリアリティー番組で『幽霊屋敷で7日間過ごすと総額で百万ドルの賞金が得られる』という企画が行われる事となる。

 参加者となった6人の男女は廃墟と化した精神病院である『オハイオ・コテージ』で、自らで撮影を行いながら日毎に与えられた『課題』をクリアしていくというものだった。

 参加者たちは番組の指示に従い、別のエリアを探検したり降霊術を行ったりして日々の課題を順調にクリアしていくが…



 廃墟と化した精神病院で7日間過ごすと言う企画に参加する事となった6人の参加者たちが恐るべき恐怖と対面するという、オカルトホラー映画。

 視聴者参加型の番組の企画という設定で『参加者のカメラの主観視点』でお話が進んでいくというPOV形式の幽霊屋敷もので、一言に言ってしまえば「クレイヴ・エンカウンターズ」のパクリ映画ですな。

 まあこの手の作品のパクリは死ぬほど出てるので別にパクリでも面白ければ良いんですが、なんというか本作はむしろそちらの方に問題があると言いますか…
 変な表現ですが『ビックリするほど怖く無いホラー映画』って感じの作品でしたよ。

 何が怖く無いってまず致命的なのが、舞台である『廃墟の精神病院』の雰囲気がちっとも怖く無いという事。
 建物自体が廃墟という割には矢鱈とキレイで特に荒らされたような様子も無く、単純に『備品が無くてちょっと古い空きホテル』といった程度の印象。

 『精神病院』っぽい備品や小物も殆ど無くて、とにかく怖そうな雰囲気が全く無いのに加えて、主人公たちはカメラの強力なライトで照らしながら撮影を行うシーンが多いため、演出的にもちっとも盛り上がりません。

 というか『精神病院』って設定になってますけど、この建物って単に営業を休止してるホテルか学校辺り何かにしか見えないんですけど、ホントに精神病院なの?

 そんな感じの全く怖く無い状況でお話が進んでいくのですが、視聴者をビビらせるような要素が微塵も無いクセに登場人物の怖がりなメンバーが何も起こらないうちからビビり過ぎで、ハッキリ言って観ててウザいレベルなのが困りもの。

 その後も、バケツが飛んだり物音が聞こえたりといったショボい心霊現象が起こるぐらいで、絵的な怖さもストーリー的な怖さも全く感じられないままにダラダラとお話が進む感じで、中盤辺りまでは怖く無いどころか『恐ろしいまでに退屈』です。

 中盤辺りで『ちょっと意外な方向』に話が進むので少しだけ盛り上がってくるのですが、その盛り上がりの要素も『ようやくD級ホラー映画レベル』に達した程度の盛り上がり方なので、ハッキリ言って誉められるレベルではありません。

 お話の方も、主人公たちが状況に流されてダラダラと行動するといった展開が殆どで、幽霊の正体が何なのかといったような謎解き的な要素も一切無いので、ストーリー的な盛り上がりにも欠けますし…
 大概の作品はどうにかすれば何処か誉める部分があるものなのですが、本作は本当に誉める場所が見当たらずに、どう評価したら良いのか悩むようなレベルです。

 まあ、ストーリーやキャラクターの性格とかが致命的に破綻(はたん)してる訳でも無いので、ツマんないけど観るのにそこまでの忍耐を要求されるような内容じゃないあたりは、とりあえず誉めても良い部分かも?


 総評としましては、壊滅的ではないものの『普通にツマんないオカルトホラー映画』といった感じの作品です。

 敢えて本作を推すような要素も思いつきませんが、間違って借りてしまっても憤死するほど酷い内容では無いので、そいういった意味ではマシと言える内容かな?

 人生の90分を無駄にしたくなければ観なくて良いレベルの作品ですが、TVとかで放映された際にながら観する程度ならば良いぐらいの一本かもしれませんよ…