NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ルーム205」(65点/サスペンス:結構オススメ)

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■■■「ルーム205」■■■
(65点/サスペンス:結構オススメ)

 大学に通う事となったカトリンは、実家を離れて学生寮の一室へと入居する事となる。

 過去にトラウマを持つ事から不安を抱えながらも寮での生活を始める彼女だったが、寮で知り合った知人から、『この部屋の前の住人が深夜に唐突に失踪して、今でも部屋から女性のすすり泣きの声が聞こえる』と言った奇妙なウワサを知る。

 更にパーティでドラッグを飲んで以来、前の住人であるアニカが目の前に現れるという幻覚に襲われるようになるものの、精神安定剤を飲んでいた彼女はアニカの姿は自分の妄想ではないかと考え平静を保とうとするが、彼女にドラッグをくれたクリスティアンという学生が寮のランドリーで変死をするという事件が発生。

 第一発見者だった彼女は、事件の重要参考人として疑われる事となってしまうが…



 大学の寮に入った少女が『その部屋から失踪した前の住人』にまつわる恐るべき
秘密を知る
という、ドイツ製のオカルトサスペンス映画。

 ドイツ製のホラーというと、なんとなくインパクト重視の変態映画かグロ映画って印象が強いですが、本作は珍しく正統派のオカルトホラーといった感じの作品ですね。

 というか、良い意味でも悪い意味でも『Jホラーの影響をかなり受けてるなぁ』と言う感じの作品です。

 お話としては、オカルトなんだけどサスペンス要素がかなり強めの内容で、『前の住人の失踪に隠された秘密とは…』という部分や『主人公の見ている幻覚は果たして彼女の生み出した妄想なのか?』という要素を中心にお話が進んでいく感じ。

 ただ、このサスペンス要素がかなり一筋縄では行かなくて、新たな新事実が発覚する度にお話が物凄い勢いで二転三転していき、主人公が真相に辿りつくまで全く先が読めない構成なのは非常に面白いです。

 伏線の張り方や回収の仕方も非常に丁寧で、序盤で出てきたどうでも良さそうな伏線が終盤でキチンと回収されてたり、どうでも良さそうなキャラクターが後半でシッカリと話に絡んできたりと、シナリオの構成がサスペンスとして無駄の無い感じにまとまっており、非常に丁寧に作られているのは好感触。

 恐怖演出に関しても、特に序盤~中盤ではJホラーに影響を受けたっぽい演出が多く、怪奇現象が起こる時の『見えそうで見えない』という演出がなかなか怖くてお話を盛り上げてくれます。

 ただ、殺されるシーンのシチュエーションがちょっとワンパターン気味なのと、後半がいかにも洋物ホラーっぽい力押しの演出になっちゃうのが、少し残念なところかなぁ?

 また、Jホラーの影響を色濃く受けてる要素としての『悪い部分』が、終盤の展開が
某Jホラー映画とデジャヴを感じるぐらいソックリな事ですかねぇ?

 いやインスパイアされてるのは良く分かるのですが、流石に終盤の展開はもうちょっとオリジナリティを持たせた方が良かったんじゃないかと…

 あとラストも上手い落とし方だとは思いますが、ちょっとオチが読めてしまう展開だったので、もうひと工夫が欲しかったかも?


 総評としましては、個人的には全くノーマークでしたが思った以上に良く出来た『佳作レベルのオカルトサスペンス映画』だと思います。

 Jホラー的なノリの『オカルトサスペンスもの』が好きな人ならばかなりハマる事が出来る作品だと思いますので、そういうノリが好きであれば間違いなく観ておいても損は無い作品でしょう。

 派手さは無いですが、演出・シナリオともにシッカリと作られたオカルト映画ですので、ホラー映画でも『ストーリー重視派』の人にはオススメできる一本ではないでしょうか?