NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「テール しっぽのある美女」(55点/サスペンス)

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■■■「テール しっぽのある美女」■■■
(55点/サスペンス)

 犯罪現場の清掃を請け負うレオとエルヴィスは、年配の男性の惨殺された森のロッジの地下に隠された奇妙な研究施設のような場所で、全裸の女性が監禁されているのを発見する。

 男性の残した奇妙なボイスレコーダーの内容や、異常なまでに警戒心が強く言葉も喋れない女性の態度に奇妙なものを感じつつも、警察の応援が到着するのを待つ彼らだったが、不思議な力によって彼女の『記憶』らしきものを見せられたエルヴィスは、冷蔵庫の中に保管された彼女の『しっぽ』らしきものを発見た事からし、彼女が『普通の人間とは異なる存在』ではないかと疑いを抱くようになる…



 森の中の惨殺現場の小屋に閉じ込められていた『しっぽ』のある謎の美女と彼女にまつわる秘密を描いた、ノルウェー製のファンタジー風味のサスペンス映画。

 タイトルだけ見た時は、てっきりファンタジー風味のコメディとかロマンス的な内容の作品なのかと思っていたのですが、実際の中身のほうは普通にサスペンスというかむしろホラー寄りの内容でした。

 題材としてはノルウェーに伝わる『しっぽの生えた美女の姿の妖精』である「フルドラ」をモチーフとしているらしいのですが、生憎ながら私はフルドラというものの存在を良く知らなかったので、細かい設定や出自はハッキリとは分かりません。

 しかし設定からして、てっきり『主人公たちが謎の美女を保護するが彼女の正体は実は…』みたいな話かと思っていたのですが、ビックリしたのは劇中でそういう持って廻ったような展開が全く無くて経過する時間が物凄く短い事。

 ホントに『謎の女性を発見してから応援の到着するまでの数時間程度』のお話が描かれている感じで、ビックリするほど場面の転換がありません。

 といっても中身の全く無い映画という訳でも無くて、主人公が過去のビジョンみたいなのを見せられるシーンで『謎解き』が行われたり、主人公たちのキャラクターなんかも割と掘り下げられてたりするので、それなりにストーリーはある印象。

 ただ物凄く短時間の話の割には時間の経過がリアルタイムっぽく描かれているので、特に何の事件も起こらないシーンが長めで、途中でちょっとダレる印象があったりするのは残念なところかも?

 またそういったお話の短さもあり、視聴者がいまひとつヒロインとか主人公とかに感情移入できないままストーリーが進んでしまうので、全体的にアッサリとした印象を受けてしまうのは難点ですねぇ…

 ヒロインはなかなかの美人なので、もうちょっと馴染みやすくて感情移入しやすいようなキャラクターになってれば、もっと盛り上がったんじゃないかと思うのですが…

 でも物凄く短時間のストーリーで、キャラクターやストーリーの背景がそこそこ分かるように上手い具合に話を詰め込んでいる構成はなかなか上手いですし、オチの付け方なんかもグテグテにならずにキレイな感じに落としているのはなかなか良いと思いました。
 ただ低予算のせいもあってか、盛り上がるようなシーンでも淡々とした演出が多くて、『濃い目の設定』の割には物凄く薄味な印象を受けてしまうお話でしたよ。


 総評としましては、それなりで悪くは無いんだけど『アッサリ風味で印象に残らないようなファンタジーサスペンス映画』といった感じの作品ですねぇ。

 そこそこ観れるんですが全体的に薄味でインパクトの弱い内容のため、どうにも盛り上がりに欠ける感じの作品でしたよ。

 まあ「フルドラ」という妖精を題材にした作品という意味では、他には聞いた事がない唯一無二の存在かもしれませんので、そういったジャンル系の作品をチェックするのが好きな人ならば観ておいても損は無い一本かもしれませんよ。