NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「U.M.A レイク・プラシッド ファイナル」(50点/モンスター)

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■■■「U.M.A レイク・プラシッド ファイナル」■■■
(50点/モンスター)

 アメリカのメイン州にあるブラック湖では、湖で繁殖してしまった大量のクロコダイルを隔離するために高圧電流によるフェンスの建築が進められつつあった。

 女性保安官のテレサは、稀少なワニの繁殖と突然変異の理由を調査するためにワニを保護しようとする生物学者と、町の安全を守るためにワニを駆除するべきだと主張する地元の住人達との間で板挟みになりつつも、フェンスの建築が終わるまでワニの捕獲や湖の巡視を行っていた。

 そんなある日、ワニを狙って侵入してきた密猟者のせいで高圧電流フェンスが開けっ放しになってしまった事から、キャンプに訪れた地元の高校生たちが誤って立ち入り禁止区域へと入り込んでしまうという事故が発生し…



 アメリカのメイン州の湖に巨大なワニが出没して人間を襲うという、生物パニック映画「U.M.A レイク・プラシッド」シリーズの第4弾。

 2~3作目と同様に、なんちゃって続編ではなく正式な続編に当たる作品で、一応、タイトルに(原題にも)『ファイナル』と付いている事から、今回がシリーズの『最終章』に当たるようですが…

 別に最終章だからといって何か特別な事がある訳でも無くて、プロット的には今までのシリーズとあまり変わりの無い印象。

 2~3は1作目に比べると質は落ちるものの、色々と設定とかに工夫を凝らしててそこそこ面白かったような記憶があるのですが、今作は内容にあまり捻りが無くて今までのシリーズと比べても、ちょっと微妙な感じですねぇ。

 ストーリーは何というか『オーソドックスな生物パニック映画』と言う感じで、既にこの映画の世界ではメイン州のブラック湖にはワニが大量に居て当然』というような世界観になっており、怪物の出現に対して『謎解き』的な要素が無いおかげでストーリーらしいストーリーもありません。

 一応、『主人公と生物学者のロマンス』と『その娘と息子のロマンス』が話の軸にはなって居るのですが、今ひとつ4人のメインキャラクターに魅力が無いせいで、どうにもお話が盛り上がらないんですよね…

 ロバート・イングランドの演じる密猟者のキャラクターは割りと個性的なのですが、そのキャラも扱いがイマイチでどうにも魅力に欠けるのは、せっかく大御所を使ってる割には勿体無いです。

 まあマトモなストーリーが無い分だけワニの出番はそこそこ多くて、序盤はショボいイメージ映像っぽい襲撃シーンが多いものの、中盤以降からはワニと人間の絡みもそこそこ増えてきて、それなりに観れる感じになって来るのは良いですね。

 2~3作目よりも予算もそれなりにかかっているようで、特撮なんかも割と見れるようなレベルに仕上がっています。

 ただ、ホントにストーリーが『危険地域に迷い込んだ高校生たちを救出する』というだけの話になってしまっており、ファイナルという割には盛り上がる要素も無く、コレといったオチも無い投げっぱなしエンディングになってるのは残念なところ。
 せっかく『ファイナル』というタイトルを付けて、今までのシリーズよりも予算をかけた作品にするのであれば、どうせならシリーズの集大成的な『山場』を作って欲しかったですよ。

 あと余談ですが、本作では稀少なワニを保護するために生物学者たちが『ワニを殺すのを反対する』という設定があるのですが、アメリカの湖に居ないはずのクロコダイルが大量に繁殖している』ような状態って、思いっきり『侵略的外来種じゃないですか!!

 そういうのその地域の本来の生態系を破壊する可能性があるので、いくら稀少だと言っても真っ先に駆除されるべき存在な訳ですが、そういう生き物を生物学者環境庁が保護しているという設定は『いくらなんでも無理がありすぎだろ…』とツッコミを入れたくなったのは自分だけですかね?


 総評としましては、単純に生物パニック映画として見るとそこまで悪くは無いんですが、今までのシリーズが色々と頑張って作っていたのに比べると、ちょっと微妙な印象を受けてしまう感じの最新作ですねぇ。

 特に本作がホントに最終作となってしまうのだとしたら、ちょっと物足りなさの残ってしまう作品と言わざるを得ないです。

 とまれ、シリーズとして比較しての肩透かし感や物足りなさはありますが、単純にB級の生物パニック映画として観るならば『まあまあ楽しめるレベル』でもありますので、シリーズが好きな人やそういうジャンルが好きな人であれば『とりあえずチェックしても良いかな?』という一本ではあると思いますよ。