■■■「パーフェクト・トラップ」■■■
(55点/スラッシャー)
大富豪の娘であるエレナは、ある日、友人の誘いで怪しげな秘密クラブの
ダンスパーティーへと参加する事になる。
しかし、その場所は「コレクター」と呼ばれる恐るべき連続殺人鬼によって恐るべき大量殺戮トラップが仕掛けられた場所で、観客たちがダンスで盛り上がる最中にトラップが発動し、何も知らない観客やエレナの友人たちは次々とトラップによって血祭りに上げられて行く。
トラップ発動時に別室に居たエレナは犠牲になるのをなんとか回避し、その場所で『赤い箱』に閉じ込められていたアーキンという男性を救うが、彼の代わりにコレクターに捕らえられる事となってしまう。
コレクターの『罠屋敷』から脱出したアーキンは無事に病院に保護されるが、大富豪であるエレナの父親が集めた『捜査チーム』に参加してエレナを救出する事を依頼された事によって、再び『罠屋敷』へと侵入する事となり…
恐るべき殺人トラップを駆使する殺人鬼によって死の罠が仕掛けれらた『罠屋敷』へと、一人の少女を救出するために『捜査チーム』が突入し殺人鬼と対決するという、スラッシャーホラー映画。
「ソウ3~5」の製作スタッフによって作られたシチュエーションスリラー映画である「ワナオトコ」の続編に当たる殺人トラップ型のホラー映画ですね。
「ワナオトコ」はB級ながらもシナリオもシチュエーションもなかなか良く出来た同ジャンルの良作だったのですが、何で続編で敢えて分かりづらくタイトルを変更したのかな?
前のタイトルが不評だったのか、或いは『TSUTAYA独占レンタル』という事を強調したくて違う感じのタイトルを付けたのか…
とまれ、私は本編を観るまでコレが「ワナオトコ」の続編だと気付きませんでしたよ。
一応、お話的にも前作から完全にストーリーが繋がった続編で、前作の主人公がそのまま本作でも登場したり前作の回想シーンがチラっとあったりするのですが…
前作に比べると本作はストーリー的な要素が物凄く薄くて、主人公と『捜査チーム』が『ひたすら殺人鬼と対決する』というだけのお話なので、ぶっちゃけ前作を知らなくても別に困らないような内容ではあるかも?
映画の中身に関しては「ソウ3~5」のスタッフが関わってるだけあって、「ソウ」の『殺人トラップ』の要素をひたすら抜き出して集中的にフィーチャーしたような感じのお話ですね。
前作が好評だったのか予算がかなり上昇している感じで、全体的に特撮とかのレベルは大幅にパワーアップしてる印象。
特に最初の大量虐殺シーンはなかなかの圧巻で見ごたえがありますが、特撮レベルのパワーアップに伴って前作に比べて異常なまでに『殺人鬼がパワーアップしすぎてる』のは流石にちょっと違和感があるかなぁ?
前作は『個人が日曜大工レベルで作れるようなトラップ』が中心だったのですが、本作の方はどう考えても専門の業者に依頼しての大規模な工事が必要そうな大掛かりなトラップが目白押しなうえに、何十人とかってレベルの人間を冒頭でまとめて殺してしまうので、この殺人鬼はどんだけ大富豪で、どんだけ残虐大魔王なんだって言う…
お話に関しても、前作では割とシッカリとしたストーリーがあったのに対して、本作はストーリーらしいストーリーが全く無くて『ひたすら殺人鬼との対決&残虐シーンの連続』という感じなのは、ちょっと残念なところ。
テンポ良く観れるという点では良いのですが、主人公もヒロインもそこそこ良いキャラクターの割には、あまりにもストーリーが無さ過ぎて『個性が全く活かせてない感じ』になってしまっているので、もうちょっとキチンとしたストーリーやらサスペンスらしい謎解き要素みたいなのがあっても良かったかなぁ?
まあ要所要所に盛り上がるシーンがあって単純にエンターテイメントとして面白いですし、殺人鬼との対決シーンとか熱い要素もそこそこあったりしますし、残虐描写アリのアクションものとしては『あまり頭を使わずに単純に楽しめる』のは良い点でしょう。
あと、主人公や殺人鬼の行動が基本的に理にかなっており、あまりアホな行動を取らないので『イライラせずに見れる』というのは、細かい部分ですが良かった要素かも?
総評としましては、残虐シーンやアクションシーンがテンコ盛りで『細かい理屈抜きで普通に楽しめるレベルのトラップ型スラッシャーホラー映画』という感じの作品ですね。
ホントに『前作のパワーアップ版』といった感じの内容なのですが、パワーアップした事により良くなった部分もあれば、ちょっと微妙になった部分もあるのがやや残念なところかも?
まあ、前作の「ワナオトコ」を楽しめた人ならば本作も楽しめると思いますし、この手の作品が好きならばごく普通に楽しめる内容だと思いますので、単純に『ハデなトラップで大量殺戮が繰り広げられるスラッシャーホラーを見てスカっとしたい』というのであれば間違いなくオススメの一本ですよ。