NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「TOWER タワー」(35点/スラッシャー)

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■■■「TOWER タワー」■■■
(35点/スラッシャー)

 刑務所から出所してきたストリートギャングのロイドは、妊娠した恋人との生活費を稼ぐために、知人の海賊ラジオ放送のアンテナを廃墟となった高層マンションの屋上に立てるという仕事を請け負う事となる。

 アンテナを立てるために、仲間達とともに立ち入り禁止となっている『マーシー・ポイント』という高層マンションへと侵入した彼らは、動作していない筈のエレベーターが動いている事に不信感を抱きながらも最上階に難なくたどり着きアンテナを設置した彼らは、その場所でロイドの出所祝いのパーティを始める事になるが、唐突にロイドの恋人であるジェマが姿を消してしまう。

 『自分たち以外の何者か』がこのマンションに居る事に気付いた彼らはジェマの捜索を開始するが、謎の襲撃者によって一人、また一人と命を落としていくのだった…



 廃墟と化した高層マンションに閉じ込められた若者たちが正体不明の殺人鬼によって一人また一人と殺害されていくという、シチュエーションスリラー風のスラッシャーホラー映画。

 お話の舞台が高層マンションの廃墟というのは珍しい感じですが、内容の方は良くあるタイプの閉鎖環境型のスラッシャーホラー映画ですね。

 廃墟と化した巨大なビルの雰囲気とか悪くない部分も無くはないのですが、肝心の内容の方はぶっちゃけ『微妙』な感じの作品かなぁ?

 何が微妙って、とにかく最初に『主人公たちに全く感情移入出来ない』ってところ。

 主人公が超身勝手で迷惑なストリートギャングたちという設定で、殆どの登場人物がキャラ的にもかなりムカつく感じのキャラなので、最初から感情移入どころか『何だよ、お前らサッサと殺されろよ』と感じてしまうような情況。

 そういう情況の割には、「13日の金曜日」みたいに『アホな若者たちがサクサクと景気良く殺されていく』というような展開でも無いので、何と言うか観ていて無駄にストレスばかりが溜まってしまうのは困りものです。

 作品のテンポもあまり良く無くて、お話が大きく動き出すのが結構終盤になってからなのですが、それまではギャングたちがパーティをやっているシーンとかをダラダラと見せられるだけなので、ちょっとイライラします。

 ストーリーに関しても『何じゃそりゃ?』って感じの展開が多くて、殺人鬼の正体は一応明かされるものの、真相がやけに唐突で『え、そんなキャラ居たっけ?』みたいな感じですし動機も弱くて全く説得力が感じられない。
 (いっそ『最初からサイコパスだった』って方が、まだ納得が行きます。)

 犯人が他のメンツは容赦なく殺す割に、主人公の恋人だけ殺さずに拉致していた理由も不明ですし、何か『描きたいシーンの都合に合わせてキャラクターが動かされているだけ』みたいな感じで、ストーリーがアバウトすぎますよ…

 それでもお話が面白いんなら良いのですが、ぶっちゃけスラッシャーホラーとしてもそこまで面白くも無いですし、ラストの展開とかも『だから何だよ?』って感じで何が描きたいのかも判然としません。

 一応は殺害方法とかはそれなりに凝ってて頑張っている部分もあるのは認めるのですが、描きたい方向性がブレ気味なのとストーリーが雑すぎるせいで『もうちょっとどうにかならんかったかなぁ…』という印象しか残らない感じの映画でしたよ。


 総評としましては、絶望的にツマんないという訳では無いものの『微妙としか言いようが無いようなB級スラッシャー映画』といった感じの作品です。

 シチュエーション的にはそこそこ面白そうなのですが、あまりシチュエーションが活かされておらず殺人鬼のキャラクターとかにも魅力が薄いので、ちょっとオススメできる要素が薄すぎるかな…っていうのが正直なところ。

 気になっていて『どうしても観てみたい』というのであれば止める事はしませんが、よほど惹かれるものでも無ければ『TVとかで放映されるまで待っても良いかなぁ?』って程度の一本て感じでしたよ。