NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「HAUNTING 震!悪魔の棲む家」(40点/オカルト)

イメージ 1

■■■「HAUNTING 震!悪魔の棲む家」■■■
(40点/オカルト)

 赤ちゃんを亡くして落ち込むスーザン、ドレイク、ヘイリーらの3人の家族は環境を変えて悲しみを忘れるために、引っ越してアメリカで最も有名な幽霊屋敷の一つである『ウィンチェスター・ミステリー・ハウス』と呼ばれる古びた大きな屋敷の管理人をする事になる。

 幽霊の存在など全く信じていない彼らだったが、引っ越してすぐにオカルト研究家のデントと名乗る男から不気味な警告を受け、更に次々と起こる奇妙な現象に恐怖を感じはじめる。

 やがて娘のヘイリーが、唐突に現れた男の幽霊によってさらわれてしまうという事件が発生し、彼らは迷路のような屋敷のなかから何とかして娘を探し出そうとするが…



 アメリカの有名な幽霊屋敷である『ウィンチェスター・ミステリー・ハウス』の管理人をする事になったとある一家の体験する恐怖を描いた、オカルトサスペンス映画。

 『ウィンチェスター・ミステリー・ハウス』というとオカルト好きな人ならば名前を知ってる人も多いと思いますが、銃のメーカーであるウィンチェスター氏の邸宅で、『自分のメーカーの銃で殺された人間の幽霊が復讐に来る』と信じた女主人が幽霊から逃れるために屋敷を増築し続けて迷路のようになってしまったという、いわくつきの幽霊屋敷ですね。

 ホラー映画が好きな人なら、S・キング脚本のTV映画である「ローズレッド」のモデルになった幽霊屋敷だと言えばピンと来る人も多いかもしれません。

 ちなみに本作はパクり映画で有名なASYLUMの新作だったりする訳ですが、最近でこの映画のパクり元になるような映画って特に無かった気がするのですが、何がモデルになってるんだろう?
 (いや別にパクりじゃなくて完全オリジナル作品なら、それはそれで良いんですけどね…)

 さて前置きが妙に長くなってしまいましたが肝心の中身の方は、何と言いますか悪い意味で『ヤボったい映画』といった感じの作品ですね。

 ゴシックホラー的な演出やらドキっとさせるような演出やら、やりたい事や描きたい方向性は分かるのですが、なんと言うかセンスが悪いのか監督が慣れてないのが原因なのか、恐怖演出がビックリする程怖く無いんですよ。

 『主人公たちの死角を幽霊が横切る』みたいな演出を多様するのですが、恐怖演出があまりにナチュラルすぎて逆に『普通にそこに人が居るだけ』という演出なのかと疑ってしまうレベル。

 幽霊が登場するようになってからの演出も、幽霊が『単なる古臭い服を着た人達』にしか見えずに何とも盛り上がらないですし、ストーリーも『幽霊にさらわれて行方不明になった女の子を捜す』ってだけで、それ以上の事件は終盤まで殆ど起こらないので全体的に起伏に欠けて、ぶっちゃけ途中で眠くなります。

 美術デザインとかもいかにも低予算な感じで、「ローズレッド」みたいな壮麗でゴシック的なイメージも無くて『ボロっちいだけの民家』にしか見えないですし、正直言って幽霊屋敷ものとしての雰囲気はイマイチ。
 (というか予算の都合で屋敷の外観はCG1枚のみですし…)

 ただ終盤の展開は、ちょっと唐突ながらも謎解きもキレイな感じですし、ラストも予想してなかったタイプの意外なオチで、全体的に微妙な映画ながらもその辺だけは評価しても良い感じかな?

 というか恐らくこの『ラストの2段オチ的な展開』を描きたいが為に作られた映画だと思うので、それ以外の部分が全体的にグテグテなんだろうなぁ…
 もし45分ぐらいの短編なら、中だるみせずにちょうど良い感じだったかも?


 総評としましては、ストーリーの意外性とかそこそこ評価できる部分もあるのですが、それ以上にダルい部分が多すぎて『とにかく観ててダレる映画』という感じの作品です。

 オチがキレイなので観終わった後にカタルシスが得られるのは良いですが、それを得る為に90分の苦行を味わう価値があるかと言われると、ちょっと微妙かなぁ?

 まあ幽霊屋敷ものに飢えているというのであれば、『観れない事は無いレベル』なので止めはしませんが、あまり積極的に人に薦めれるような作品では無いかなぁ…ってのが正直なところでした。