■■■「ロストサンクチュアリ」■■■
(45点/サスペンス)
高校でカウンセラーを務める心理士のジェシーは、兄を轢き逃げで失ったイーライという生徒のカウンセリングを行う事となる。
ジェシーは、彼から『兄のデヴォンは事故ではなく兄のクラスメイトによって殺害された』という主張と、『兄はやがて呪術師の手によって死から蘇り、彼らに復讐するためにこの場所に訪れる』という奇妙な話を聞かされる。
最初はイーライの妄想だと考えていたジェシーだったが、やがてデヴォンの死が単なる事故では無いという事実が発覚。
更に、デヴォンの死体が何者かによって墓から盗まれるという事件が発生し…
兄を轢き逃げで殺された学生が復讐のために兄を死から蘇らせるという、オカルトサスペンス映画。
系列的にはサスペンス色が強めのオカルト映画って感じの作品ですね。
サスペンスなのですがネタバレに触れないと感想を書くことが出来ないような内容なので、多少ネタバレを含みながら感想を書かせていただきますが…
お話としては、序盤は『同級生に兄が殺されたというのは事実なのか?』という辺りを中心に、後半は殺人事件が発生し『本当に兄が蘇って復讐に訪れているのか?』という辺りを中心に描かれていく感じですね。
全体的に派手さがあまり無く謎解きもそこまで凝った内容でも無いので、ノリ的には『雰囲気映画』に近いという印象かも?
『雰囲気映画』と感じるだけあって作品の雰囲気そのものは悪くなく、展開はスローペースながらもそこまで退屈するような内容ではありません。
序盤~中盤にかけての雰囲気作りは非常に良くて、兄の死体が消える辺りの展開は先が読めなくて非常に面白いのですが、事件の真相が判明してからの展開が逆にダラダラした感じで、『謎解き要素』はともかく『ホラー要素』が薄すぎるのが惜しいです。
途中にある『意外な展開』的な要素も『えっ、その意外性って必要なの?』みたいな内容でストーリー的にどうにも盛り上がらないですし、肝心の一番盛り上がるであろう犯人たちが殺されるシーンは、イメージ映像で殆ど画面に写されないですし…
(まあ、残虐シーンとかを描くのがメインの作品ではないのでしょうが…)
せっかく絵作りやら雰囲気やらは良いのだから、もうちょっと『怖さ』を感じさせてくれるような作りなら良かったのに…
ちなみに犯人グループの一人が殺された兄の彼女だったりするのですが、そういう『割と重要そうな登場人物』が全くストーリーに絡んで来なかったり、逆にどうでも良さそうな人物が意外とストーリーに絡んできたり、ミスリードなのかもしれませんが何か『ミスリードする方向性』が間違っているような印象。
蘇った『お兄さん』も普通すぎて『えっ、それだけ?』みたいな感じでしたし、その辺がもう少し盛り上がるような展開になってれば、もっと面白い作品になったと思うんですけどねぇ。
総評としましては、全体的な雰囲気は悪く無いんだけど『どうにも盛り上がりに欠ける映画』という感じの作品ですね。
それなりに観れるレベルですしツマんない訳では無いんだけど、観終わった後にコレといった印象に残るような部分が無いので、何だか物足りなさの残るような映画でしたよ。
まあでも全体的な完成度はそこそこだと思うので、予告とかを観て気になっているならチェックしておいても良いぐらいの作品だと思いますよ。