■■■「スパイダー・シティ」■■■
(35点/モンスター)
ある日、ルイジアナ州の片田舎で謎の地震が起こり大規模な地盤沈下が発生する。
父と共に観光ガイドの会社を経営する息子のポールは、観光客をバスで案内する途中に街中に現れた地割れに遭遇し、その地割れから見たことも無いような新種の巨大グモが大量に出現しているのを目撃。
クモに追われて近くのスーパーマーケットに逃げ込んだ彼らは助けを求めて外部と連絡を取ろうとするもののパニックの影響で外部との連絡が取れず途方に暮れる。
ひとまず自力で再びバスに乗って父と合流する事に成功した彼らは、軍が『安全地帯』を設営したというウワサを聞き、なんとかしてその場所まで逃げ込もうとするが…
ルイジアナの街で起こった謎の地震と共に『地下から出没した巨大グモの群れ』の恐怖を描いた、モンスターパニック映画。
いわゆる低予算なB級のSF映画やモンスター映画でおなじみの『syfy pictuires』の作品で、この名前でピンと来た人には『いつものsyfyの低予算モンスター映画』というものを想像すれば、それ以上でも以下でもないような内容です。
ちなみに主演は「T2」で有名になったエドワード・ファーロング氏ですが、この人も最近はスッカリB級ホラーが板に付いてきているような…(笑)
お話の中身は前述のとおり、かなり『低予算っぷり』が目に付くレベルのB級というよりも一つ下のC級ぐらいのモンスター映画という感じですね。
全体的に特撮というか映像そのものがショボくて、とにかく全く迫力が無いのが困りもの。
そもそも巨大グモと言いつつも、登場する殆どのクモは中型犬ぐらいのサイズしかなく、予算の都合なのかあまり大量に登場する訳でも無いのでどうにも盛り上がりません。
(まあ確かに、現実に中型犬サイズのクモが出てきたら怖いだろうけど…)
またストーリーの都合とはいえ、最初に登場するのは15cmぐらいのクモ(しかも5~6匹)なのに、何故か主人公たちが矢鱈と逃げ惑うのもちょっと不自然かなぁ?
そのぐらい、ホウキか何かで叩き潰せよと…
街中がパニックに陥ってるという設定なのにモブのキャストを雇う予算が無かったのか、主人公たち以外の町の人たちが平常そのもので、全くパニックの気配すら感じられないのも流石に絵的に無理がありすぎ。
コレならば序盤~中盤の展開は、大規模なパニック映画っぽい演出をしようとかって背伸びをせずに普通に閉鎖環境型のパニック映画にしておいた方が迫力があったんじゃ無いかと…
ストーリーは可も不可も無いような印象ですが、終盤の『巨大グモの女王(大型バスぐらいのサイズ)』が登場してからの展開は、まあまあ熱くて良い感じだったかな?
中盤の伏線とかも割とキレイに回収してますし、ラストの辺りは割とテンポも良くて良い感じでした。
逆に序盤~中盤があそこまで迫力の無い展開じゃなくて、もうちょっと緊張感のある内容ならばそこそこ楽しめる映画になったと思うんですけどねぇ…
あとどうでも良い事ですが、途中でサブキャラの黒人が唐突に「ディープブルー」(サメの奴)のパロディをやったり、主人公(エドワード・ファーロング)が女王グモと対決する時のBGMが「T2」のパクリっぽい曲だったりするのには、悔しいけどちょっと笑わされてしまいましたよ。
大丈夫なのかよ、そのネタは…(笑)
総評としましては、ぶっちゃけ『微妙としか言いようがないレベルの低予算モンスター映画』といった感じの作品ですね。
特にコレという程の見るべき要素は無いですが、『エドワード・ファーロングが巨大グモと対決する活躍シーン』をその目に焼き付けておきたいというのであれば、とりあえず観ておいても良いかもしれません。
それ以外にはモンスター映画としてもネタ映画としても弱いですので、あまりオススメはしないかなぁ…