NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「クリーパーズ・キラーズ 悪魔のまなざし」(45点/サスペンス)

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■■■「クリーパーズ・キラーズ 悪魔のまなざし」■■■
(45点/サスペンス)

 ラジオで人性相談を行う精神科医ソニーは、ある日、父親が酔って階段から落ちて転落死してしまった事から、父の棲んでいた実家を引き継ぐため郊外の町へと引っ越す事となる。

 しかし引っ越して以来、何者かに付け回されているような感覚や、家に侵入されたような形跡、更には彼女のラジオ番組にストーキングをほのめかすようなメッセージが送られてくる。

 彼女は自分を執拗に付けまとう新聞配達員の少年であるデレクが犯人だと考え警察に相談するものの、具体的な証拠が無いため警察からは相手にされず、仕方なく自分でなんとか対策を立てようとするが…



 精神科医のヒロインが引っ越し先の実家で正体不明のストーカーに付けまわされるという、サスペンスホラー映画。

 どんな内容なのか分かり難いタイトル&パッケージですが、『「ジーパーズ・クリーパーズ」の監督が撮影したサスペンス映画』という事でこういうタイトルが付いているだけで、内容の方はいわゆるストーカーもののサスペンス映画という感じの話ですね。
 (ちなみに原題は「ROSEWOOD LANE」。)

 なんとなく鳴り物入りっぽい感じの作品ですが、ぶっちゃけジーパーズ・クリーパーズ」自体がちょっと残念な映画だったので、更に低予算で作られている本作に関しては『推して知るべし』というレベルの作品といったところ…

 お話としては、『ヒロインが謎の新聞勧誘の少年からストーカー被害を受けるんだけど、証拠が無いせいで警察からは相手にして貰えず、逆に子供の頃に父親から虐待を受けていたせいで妄想を抱いていると疑われる始末』といった感じのストーリー。

 作品の『雰囲気作り』はなかなか良くて、近所の住人から新聞配達の少年が『悪魔のような能力を持っている』というウワサを聞かされたり、ヒロインの過去のトラウマが伏線に貼られてたりして色々と想像を膨らませられるような部分が多くて、導入部だけ観ると割と面白そうな印象を受けるのですが…

 この伏線の『回収』の仕方がどうにも下手クソで、全体的に今ひとつ盛り上がらないのが困りもの。

 ヒロインの幼少期の虐待が本編に関わってくるのかと思いきや、この辺に関するストーリーの掘り下げが全く無くて、逆に『ヒロインの元恋人の過去のトラウマ』が詳しく語られてみたりと、お話として見せたい方向性がどうにもチンプンカンプンな印象。
 (そのお陰でヒロインの『精神的に追い詰められてる』ような描写も、あまり説得力がありませんし…)

 謎の少年の『動機』や『目的』も全く分からないですし、『父親を殺したのは実はこの少年では?』みたいな伏線も貼られる割には結局は伏線が回収されずに分からず仕舞い。
 少年の『秘密』もラストで明かされはするのですが、『だから何なんだよ?』と言う感じの謎解きですし…

 なんというかお話の構成が『迷走している感じ』で、最後まで何を描きたいのかが判然としないです。
 スリラー映画としても盛り上がる要素も薄いですし、ストーリーで語られるべき部分も語られずに伏線も回収されないまま終わってしまう要素が多いので、とにかく観終わった後にカタルシスが得られずに、なんともスッキリしない気分になる映画でしたよ…
 (そういや完全にスルーされてたけど、ヒロインの元恋人は結局どうなったんだよ?)


 総評としましては、そこまで酷い作品ではないのですが観終わった後に『なんだかなぁ?』と言う感じの『残念な気分になるような映画』と言う印象。

 雰囲気や映像作りとか観るべき部分もあるのですが、致命的になぐらいに『描きたい方向性』が良く分からずにストーリーも全体的に説明不足なので、純粋にサスペンスとして楽しむにはちょっと厳しい感じですかねぇ…

 『雰囲気映画』として細かい事を気にせずに観るぶんには、それなりに楽しめる作品かもしれませんので、そういう方向性が好きな人ならばチェックしておいても良い程度の作品かもしれませんよ。