■■■「KEY(キー)/死体の中の遺留品」■■■
(30点/サスペンス)
2年前に何者かに妻を殺害された検屍官のマーティンは、ある日、自殺した男性の遺体の解剖中に体内から奇妙な『鍵』を発見する。
自殺の現場に残された『あれは中にある』という謎のメッセージから事件に興味を持った彼は、謎の鍵の正体を突き止めるべく独自に調査を開始。
この鍵が、2年前に殺害された妻の死と関わりがあるという、驚くべき事実を突き止めるが…
とある検屍官の主人公が遺体の中から発見された『謎の鍵』を調査するうちに、驚くべき真実にたどり着くという、サスペンススリラー映画。
うーん、なんと言いますか…久々にコレは『訳が分からない』としか言いようが無いような映画を引き当ててしまいました。
なんでも、ホラー/スリラー系のインディペンデント映画祭で賞を受賞した作品らしいのですが、『えっ、ホントにコレが高評価されたの?』と言う感じ…
一応、系統としてはサイコサスペンス系の雰囲気映画という感じなのでしょうが、雰囲気映画として推せるほど突き抜けて映像センスも良くないですし、ストーリーも超展開を通り越して説明不足なうえに支離滅裂です。
お話としては『検屍官の主人公が遺体の中から発見された『鍵』を独自に調査するうちに、意外な事実が浮き彫りになっていく』といった感じの展開なのですが、まず何が動機で主人公が『鍵』の調査を始めるかの『動機付け』が全く持って意味不明で、どうにも納得がいかず感情移入ができません。
また中盤の『鍵』が妻の死と関わっていたという展開も全く脈絡が無いですし、他にもストーリーの繋がりが唐突すぎて『どういう因果関係で物語が進展しているのか全く理解できない』ようなシーンもチラホラ。
特に終盤~ラストにかけての展開は何が言いたいのかサッパリ分からなくて、『悪い電波でも受信させられたような気分』だったのですが、コレって結局は主人公が電波系な人だったって事なの?
(オカルトっぽい解釈もできなくは無いですが、そっちにしても設定が中途半端ですし…)
なんというか、流石にここまでサッパリ意味が分からなかったのは私の理解力不足だけが原因では無いと思うのですが、もうちょっと分かりやすく因果関係を描くなりどうにかならんかったのかと…
全体的にコレといった盛り上がるシーンも無いので冗長で退屈ですし、謎解き要素は訳が分からないのでスッキリしないですし、最後までタイトルにもなっている『鍵』の正体が何なのかサッパリ分からないのも『何のこっちゃ』という感じ。
唯一ほめられる部分は『映像センスがそこそこ良いところ』なのですが、印象的なシーンに関しても本編への組み込み方が下手でテンポを崩している感じですし、この作品が高評価されたってのが割と本気で理解できないのですが、どういう部分が評価されたんだろうか…
総評としましては、面白いとか面白く無いとか言う以前に『なんじゃコリャ?』としか言いようが無いような感じのサスペンス映画ですね。
普通のミステリーとかサスペンス映画を期待して観ると、激しく肩透かしを食らわされると思いますので、そういう方面に期待してる人はスルーしてしまった方が良いかもしれません。
サンダンス映画祭とかの、『ちょっと不条理でハイセンスな感じのサスペンス』が好きならば観れなくは無いとは思うものの、そちらに期待するにしても物足りなさの残る印象なのですが、まあその手のジャンルが大好きでどうしても気になるようであればチェックしておいても良いんじゃないでしょうか…