■■■「ジュラシック・ブリーダー」■■■
(40点/モンスター)
テキサス州のフォッシルリッジという田舎町で、女性が正体不明の大型の肉食動物に襲われて殺されたり、何名もの人間や牛や家畜が次々と行方不明になるという事件が発生。
FBIの特別捜査官が原因をつきとめるために捜査を開始するが、現場に残された犯人の遺伝子は1億年前に棲息していた『ドロマエオサウルス』という恐竜のものである事が判明する。
そんな矢先、ガス欠のせいでガソリンスタンドに立ち寄るも、ガソリンが売り切れで立ち往生する事となった大学生のシェルドンは、店員であるアビーの案内で『ガソリンを大量に買い占めた』というマッドサイエンティストのケイン博士の家へと、ガソリンを分けてもらうために向かう事になるが、その場所で極秘裏に飼育されている恐竜を発見し…
テキサスの田舎町でマッドサイエンティストが復活させた肉食恐竜の群れが若者たちを襲うという、モンスターパニック映画。
まあなんと言いますか、割と『普通の低予算モンスター映画』って表現がシックリ来るような感じの作品ですね。
お話としては、『テキサスの田舎町でマッドサイエンティストがこっそりと恐竜を復活させてて、近くを訪れた若者たちが恐竜に襲われる』という、ただそれだけのお話です。
科学者がどんな超技術を使って何のために恐竜を復活させたのかとか、肉食恐竜ばっかり大量に復活させて何がやりたかったのかとか、色々と気になる部分はありますが細かい事は気にしてはいけません。
(まあ『マッドサイエンティストだから』って言われれば、その一言で片付いてしまうんでしょうけど…)
しかし設定のアバウトさもさる事ながらストーリーの方もかなり微妙な感じで、ぶっちゃけ特にコレといったストーリーは存在せずに、『たまたまガソリンスタンドに集まった若者たちが恐竜に襲われる』というそれだけの内容で、とにかく設定と合わせて説得力やらが皆無。
加えて、登場人物が主人公以外は『低脳っぽい自分勝手なアホ』ばっかりで、全く感情移入できないため、ちょっと観ててイラつくというか辛い部分が多いです。
(ぶっちゃけ、登場人物が『ウザいからさっさと食われろよ』と思うようなメンツが大半なので、観ててストレスが溜まりました。)
まあでも、作品のテンポは割と良くて途中で退屈するような部分もあまり無いですし、恐竜の出番も多くて低予算の割には頑張って作っているっぽいのは好感触。
ただ恐竜のCGは意外と良く出てきているものの、モーションがちょっと微妙だったりCG故に人間との絡みが薄めなのは残念なところですね。
街中に恐竜が侵入してきたりとパニック映画の体裁を取ってる割には、登場人物が主人公たちの数名のみでパニックシーンにイマイチ迫力が無いのも難点ですし、せっかく恐竜のCGを頑張って作ってるんだから、もっと恐竜が派手に暴れまわるシーンとか群集が逃げ惑うようなシーンとか派手な展開が欲しかったです。
(まあ予算的に厳しかったのかもしれませんが…)
あと本作の特徴としては、ドロマエオサウルスやらアクロカントサウルスやらメガロサウルスやらの、他の作品ではあまりお目にかからないようなマイナーな恐竜ばかりが大量に出没する辺りかなぁ?
ただ外見的に似通った恐竜ばかりなので、どうせマイナーな恐竜を出すのならばもっと『外見的に特徴のある恐竜』を出せば良かったのになぁ…と思うのは自分だけですかね?
総評としましては、『ちょっと微妙な出来のモンスターパニック映画』ってのが正直なところですかね?
特撮やら恐竜のCGやらはチープながらも頑張っていると思うのですが、ストーリーやらキャラクターやらが壊滅的で、普通に『観ててツマんない』のが残念なところかと…
逆に、とりあえず『暴れまわるちょっとマイナーな恐竜』を観たいというのであれば、それなりに欲求は満たされるような内容ではあると思うので、そういう方面にだけ期待して観るのであればチェックしてみても良い程度の一本かもしれません。