NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「スティーヴン・キングは殺せない!?」(45点/スラッシャー)

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■■■「スティーヴン・キングは殺せない!?」■■■
(45点/スラッシャー)

 世界的に有名なホラー作家であるスティーヴン・キングの住む邸宅があるという、メイン州のフライバーグという小さな町にある湖畔の別荘へと訪れたモンローらの6人の若者たちは、町の住人の異常に排他的な態度に不審なものを感じつつもバカンスを楽しんでいた。

 しかし、そんな最中に仲間の一人がバラバラ死体となって発見されるという事件が発生。

 悲しみに暮れる彼らだったが、更にモンローの恋人がハンマーで撲殺されるという事件が発生し、彼らは殺害の手口がS・キングの小説をなぞらえているという事に気付くが…



 S・キングの住む町を訪れた若者たちが小説をなぞらえた連続殺人に巻き込まれるという、スラッシャーホラー映画。

 タイトルやパッケージからコメディホラー的なノリを予想していたのですが、中身の方は割と普通のスラッシャーホラー映画という感じの作品でした。

 お話としては、『S・キングの邸宅のある町に訪れた若者たちが、何者かの手によってキングの小説になぞらえて殺害されていく』という感じのストーリーなのですが…

 ぶっちゃけキングの小説ってそこまで『個性的な殺人鬼』って登場しない(モンスターならいっぱい登場するけど)ですし、そんなに凝った殺害方法をするシーンもあまり無いですので『キングの小説になぞらえた殺人』と言われてもあまりピンと来ません。

 実際の映画の内容の方も、割とマイナーな短編小説から題材を持ってきてたりしてて、説明されても『へぇ、そうなんだ…』ってぐらいにしか感想を抱けずに、パロディやオマージュとしてはどうにも弱いです。

 一応、ちょっとだけメジャータイトルのパロディ要素もあって、「イット」とか「シャイニング」のパロディとかも出てはくるのですが、取ってつけたようなカットなので『キングのファンならでは』という感じで楽しめる要素が少なする印象。

 まあパロディやオマージュ的な要素はさておくとして、肝心の映画の中身の方が面白いかと言われると、こちらの方もちょっと微妙で『凡作のスラッシャーホラー』という感じの内容。

 まあ普通のスラッシャーホラー程度の緊張感や、ちょっとだけ謎解き的な要素もあったりして全く楽しめない訳では無いのですが、本作ならではというような推せるような要素があんまり無いのが厳しい感じ…

 主人公たちが、現場検証も終わってない仲間の死体を勝手に埋葬しようとしたり、殺人鬼が近くに居るのが分かってるのに別荘から脱出しようとしなかったり、割と非常識な行動を取るのも感情移入を阻害されて気になるところですね。

 キャラクターに関しても、主人公の『帰還兵ネタ』も別にそれほど面白い要素じゃない割に引っ張りすぎですし、謎解きのキーマンになる『キングファンのオタク青年』のホントにキモくて不快なだけだったりとキャラ付けも微妙。
 (まあオタク青年のキャラ付けに関しては『謎解き要素』の都合上って部分もあるのでしょうが、この手の映画だと『オタク青年』って結構良い扱いを受ける場合が多いんですけどね…)

 とまああまり誉めれるような要素も無いのですが、ラストのオチは割と秀逸でちょっと面白かったかなぁ?


 総評としましては、なんというか一言で言ってしまうと『普通の低予算スラッシャーホラー映画』という感じの作品です。

 なんというかタイトルでの出オチ感が強くて、S・キングのネタに関して期待したぶん肩透かしを食らわされた感じなので、もうちょっとキングのネタを分かりやすく仕込むとかしてくれてれば、もっと面白くなったと思うんだけどなぁ…

 まあタイトルやパッケージに釣られて観ると、ちょっと微妙な印象を受けるかもしれませんが、壊滅的にツマんない作品という訳では無く『普通レベルで観れる程度のB級スラッシャー映画』ではありますので、キングの作品が大好きで気になっているのであればチェックしてみても良いかもしれません。