NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「サリー 死霊と戯れる少女」(50点/オカルト)

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■■■「サリー 死霊と戯れる少女」■■■
(50点/オカルト)

 1974年、イギリスのヨークシャー州に両親と共に引っ越してきた思春期の少女サリーは、新居で荷物が勝手に移動したり風もないのに電灯が揺れたりといった奇妙な現象に遭遇し、この場所に不気味なものを感じる。

 その後、不気味な叫び声のような音やポルターガイストが現象が家族の前でも起こるようになり、やがて一人の『少女の霊』が姿を現した事から家族は霊の存在に怯えるようになるが、周囲から孤立気味だったサリーは霊と交流を深めていき…



 とある一家の引越し先に出没する少女の霊と、その霊にまつわる恐るべき秘密を描いたオカルトサスペンス映画。

 実際にイギリスで起こった「ポンテクラフトの黒い修道僧」にまつわる心霊事件をベースに作られた、いわゆる『実話に基づくフィクション』ってタイプの作品ですね。

 私はこの事件の事を知らない(というか検索してみても、この映画のサイトしか引っかからない)ので『どの程度が実話に基づいているのか』は分かりませんが、『こういう事件なら割とありそうかも?』っていうような感じのお話です。

 ですので良い点を挙げるとすれば、心霊現象が中途半端に地味で妙なリアリティがある点ですかね?
 本編の中で起こる心霊現象の殆どが『ああ、こういう事なら現実にも起こりそうだな』というようなレベルの現象で、ある意味でリアルで怖いです。

 ただ逆に言えば、全体的に『地味すぎて盛り上がりに欠ける内容』といった感じの作品なんですよね…

 『怖がらせるための演出』なんかはオーソドックスな感じで、雰囲気も割と良く出てて悪く無いと思うのですが、とにかく地味で見せ場となるようなシーンがあまり無いので、全体的にどうにも物足りない印象です。

 でも、内容の地味さを補うために主人公の周辺の『人間ドラマ的な要素』を手厚く描く事で、作品全体があまり冗長な感じになっていないのはなかなか上手いところ。
 ただ、そのせいか主人公の周辺が妙に『複雑な家庭の事情』を持ってるせいで、主人公の女の子が『理不尽に叱られるようなシーン』が多いのは、演出や脚本の都合とは分かっていても妙にモヤっとします。

 またドラマ要素に凝っているとは言え、お話が盛り上がるのがかなり終盤に入ってからなので、その辺りまではちょっと退屈な内容なのは正直なところ。

 終盤の『謎解きパート』からラストの展開は割と派手で良い感じなので、中盤ぐらいでもうちょっと盛り上がる要素があれば、良い感じの作品になったと思うんですけどねぇ…


 総評としましては、全体的に悪くは無いんだけど『どうにも物足りなさの残るオカルトサスペンス映画』といった感じの作品ですね。

 それなりに悪くは無い部分もありますしツマんなくは無いのですが、推すほど面白い要素や見るべき部分があるかと言われると、ちょっと微妙な印象。

 まあ総じて出来の悪い作品では無いので、オカルト映画が好きで気になっているようであればとりあえず観ておいても特に損は無い一本だと思いますよ。