■■■「ゾンビ・リザレクション」■■■
(45点/モンスター)
突然のゾンビの感染の大発生から458日後。
文明は崩壊し、生き残った人々は避難所に立てこもりゾンビから身を隠して生活を続けていた。
そんな最中、「理想郷」と呼ばれる国内で最大規模の巨大な避難所へと移住する事となったベッカらの父娘は、ゾンビの研究家であるサイクス博士や軍人たちと共に旅をする事となる。
しかしチームのリーダーである少佐が負傷した事から廃墟となった学校へと避難する事となった彼らだが、校内を調査中に講堂でゾンビの大群を発見した際に、『宣教師風の姿をしたゾンビ』が他のゾンビを『奇跡』のような力で人間へと蘇らせているところを目撃し…
『奇跡』の力でゾンビを人間に戻す事ができる『神ゾンビ』に遭遇した人々の運命を描いた、英国製のモンスター映画。
聞いてのとおり『神ゾンビ』という設定は非常にインパクトがあるのですが、なんというかソレ以外は割と普通のB級というかD級ぐらいのゾンビ映画って感じの作品ですね。
『神ゾンビが奇跡の力でゾンビを人間に戻せる』って言われても、どんな設定なのかサッパリ分からないと思うので簡単に説明すると…
『神ゾンビが奇跡の力でゾンビを人間に戻す』→『人間に戻った人は正気を取り戻すがゾンビの大群の真っ只中なのでゾンビに食われる』→『食われてまたゾンビになる』
という『無限ループって怖くね?』というような設定で、その現場を目撃した研究者の博士が『このゾンビこそが、ゾンビ治療の救世主になるかも?』と考えを抱き…といった感じのお話です。
まあ設定のアイデアというか『ブラックさ』は、いかにも英国映画って感じではありますね。
ただ設定は確かに面白いのですが、肝心のストーリーの方はというと何と言うか微妙な感じのお話といった印象。
登場人物のキャラクターがことごとく不快で、ヒロインと博士以外のメンツが『ゾンビに食われる事が前提』としか思えないような身勝手なクソ野郎ばかり。(まあ実際に食われるんですが…)
この辺も英国流のユーモアなのかもしれませんが、観ていてとにかくストレスが溜まります。
ストーリーの核心となる『神ゾンビ』も割とお話の後半にならないと登場しないため、それまでは『不愉快な仲間たちの珍道中』を見せられるだけ。
特撮なんかも超低予算の自主制作映画のようなレベルで、ゾンビの襲撃シーンにも全く迫力がありませんし、ハッキリ言って中盤まではホントに観ていてダルいです。
まあ『神ゾンビ』が登場した後の展開はなかなかに先が読めない感じで面白いのですが、『どうやってオチを付けるんだろう?』と思いきや、終盤が矢鱈とグテグテな展開の上に投げっぱなしな感じのオチでちょっとガッカリ。
ゾンビ映画らしいといえば確かに『ゾンビ映画らしいオチ』ではあるのですが、もうちょっと上手い落としどころを見せてくれれば、もっと良い感じの映画になったと思うんですけどねぇ…
(ラストの博士の行動も微妙に納得いかないですし…)
総評としましては、『神ゾンビ』という設定のインパクトはありますが、『ホントに設定のインパクトだけの低予算映画』といった感じの作品ですね。
まあ、奇抜な設定やらブラックなネタやらの見どころはありますので、『ちょっと個性的なゾンビ映画』を求めているのであれば、チェックしておいても損は無いタイトルではあると思います。
個人的には、キャラクターのセンスとかユーモアのセンスが自分には合わなくて、今ひとつ楽しめない作品といった感じでしたよ。