NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ZMフォース ゾンビ虐殺部隊」(45点/モンスター)

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■■■「ZMフォース ゾンビ虐殺部隊」■■■
(45点/モンスター)

 ルーマニアの田舎町にある米軍の兵器工場で爆発事故が発生。
 漏れ出した研究中の化学兵器の影響で、街の人々が全てゾンビになってしまうという異常自体が発生する。

 事態を隠蔽しようとした米軍は、国家反逆罪で終身刑となっているエリート軍人のジャックをリーダーとして、爆発物、狙撃、剣術のプロの傭兵達を集めた特殊部隊を編成。

 ウィルスの蔓延を阻止しゾンビを殲滅するために、原子力発電所を核爆弾で爆破するという任務へと向かわせる事となるが…



 東欧の小国で発生したゾンビ事件を隠蔽するために米軍の特殊部隊がゾンビだらけの街に侵入し原発を爆破しようとするという、ゾンビものアクションホラー映画。

 数々のゲームの映画化作品(の失敗)で有名…というか悪名高いウーヴェ・ボルの製作による新作のゾンビ映画ですね。(とかって評判が悪い作品が多いですが、私はこの監督の映画ってそんなに嫌いじゃ無いんですけどね。(笑))

 本作も、なんでも88年に発売された「ZOMBIE MASSACRE」ってFPSを題材にゲーム化したものだそうですが、ぶっちゃけゲームの画面を見ても『どの辺りがこのゲームをモチーフに製作されたのか1ミクロンも想像がつかない』ような内容の作品です。

>Zombie Massacre - Amiga Game
http://youtu.be/MV0RsshxzXA
 つか、もともとのゲーム自体が単なるDoomのクローンシューターで、ストーリーらしいストーリーが無いようですし…

 監督としては「EATERS」のマルコ・リストーリ&ルカ・ボーニが監督した作品のようですが…
 「EATERS」も大概酷くて、ダメな方のウーヴェ・ボル映画の典型みたいな内容でしたが、本作もコレまた酷い出来の作品です。

 お話としては、『軍の特殊部隊の面々がゾンビ汚染された地域に突入するんだけど、実は軍の上層部には彼らにも秘密にしている事実があって…』みたいな感じの展開で、まるっきりストーリーが無いという訳でもなくて、ゾンビ映画にしては意外とストーリーがある印象。

 剣の達人や狙撃の達人と軍の特殊部隊が怪物と戦うというシチュエーションは、いかにもイキオイだけの『勘違いノリ』が大好きなウーヴェ・ボルらしくて良い感じなのですが、肝心のウリである筈のアクションシーンが矢鱈とショボいのは困りもの。

 剣の達人の筈のお姉ちゃんは攻撃に全く鋭さが見られないですし、狙撃の名手は『何のために登場したんだよ?』ってぐらい速攻でゾンビにやられますし…
 低予算ゆえに一度に出てくるゾンビの人数も少なくて、殆どのゾンビもたいしてやる気が無いので『別に特殊部隊じゃなくても、銃を持ってれば誰でも楽勝だよね?』って感じの襲撃シーンの連続なので、とにかく緊張感や迫力がありません。

 そんな低予算のレベルなので『爆破のプロ』の活躍の機会なんて、それこそ推して知るべしといったレベル。

 盛り上がるはずの『仲間が倒れていくシーン』でも、盛り上がりが微妙すぎて『たいして見せ場にもならないまま死んでいくだけ』みたいな感じだし、特撮がショボい程度は仕方ないにしてもマジでもうちょっとどうにかならなかったものか…

 ウーヴェ・ボルの映画って、ストーリーとかは『アホみたいな内容』なんだけ『無駄にイキオイとパワーだけはある』のが最大のウリだと思うのですが、予算の都合でその辺がスポイルされてしまってはホントに『単なるツマんないグテグテなだけの映画』になってしまうのが辛いところですよ。

 それでも一応頑張ってる部分も無い事は無くて、主人公ら特殊部隊の面々は濃すぎるぐらい個性的なキャラで良い味を出してますし、終盤でのちょっとだけ予想外の展開やら無駄に熱いラストバトルやら『いつものウーヴェ・ボル節』が感じられる部分もあったりしたのは、ちょっと嬉しいところ。

 あとどうでも良いけど、途中で主人公たちに合流した企業家のオッサンは、何でナイフ格闘で軍人と対等に渡り合ったりロケットランチャーの撃ち方を普通に知ってたりしたのかが最大の謎なのですが、あのオッサンはいったい何者なんだよ…

 そういえば、ラストシーンの意味が最初に見た時はサッパリ分からなかったのですが、どうやらゲームの映画化作品だという事なので、『ゲームの前日談だよ』って事を言いたかったって認識で良いんでしょうかね?(ゲーム画面を見た感じ、その認識も正しいのかどうか不安になって来る感じでしたけど…)


 総評としましては、お世辞にも良く出来てるとは言い難いレベルの『微妙なB級アクションホラー映画』って感じの作品です。

 まあ『良くも悪くも(良い部分が極めて少ないにしても)、いつものウーヴェ・ボル映画』という感じの内容なので、個人的にはそれなりには楽しめましたけど余程の物好きでなければ無理にチェックする必要は無い作品でしょう。

 逆に、いつものウーヴェ・ボル映画が大好きな人や、ツッコミどころ満載な感じのダメのアクション映画を鑑賞して微妙な気分に浸りたい人とかでしたら、とりあえずチェックしておいても損は無い一本かもしれませんよ。