NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「悪霊のはらわた」(40点/モンスター)

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■■■「悪霊のはらわた」■■■
(40点/モンスター)

 週末に友人たちと山小屋を利用させて貰う事となったアルビンたちは、数年間利用されていなかった山小屋に男女7人のグループで訪れる事となる。

 山小屋でパーティを楽しむ彼らだったが、地下室に降りた一人の少女が唐突に怪物のような姿になり仲間に襲い掛かるという異常事態が発生。

 騒ぎを聞きつけた近隣の住人の男から、彼女は地下に潜む『伝説の怪物』に魂を抜き取られて彼女自身も怪物にされてしまったのだという事と、怪物に襲われた人間もまた怪物になってしまうという恐るべき事実を告げられる。

 一概に男の話を信じられなかった彼らは、なんとか警察を呼んで事態を収拾して貰おうとするが、果たして男の言うとおりに怪物の存在は次々と周りの人間に感染を起こして行き…



 古びた山小屋に訪れた若者たちが、地下室に封印されていた悪霊に取り憑かれて殺し合いを行うという、スウェーデン製のモンスターホラー映画。

 ホラー映画が好きな人なら見た瞬間に分かるレベルで、『邦題』や『パッケージデザイン』に始まって『ロゴ文字』とかまでも清々しいまでのパクリっぷりなのでおおよその予想は付くと思いますが…
 まるっきりスウェーデン版の「死霊のはらわた」って感じの作品ですね。

 といっても中身の方は単純な2番煎じ映画と言う感じではなく、どちらかというと『「死霊のはらわた」にインスパイアされて作りました』って感じの、大真面目なゾンビ映画って感じの作品で、各所に「死霊のはらわた」のオマージュらしき要素が見て取れるような内容です。

 思った以上に『シッカリと作られた映画』という印象で、単純に設定を真似して2匹目のドジョウを狙おうという感じじゃ無い辺りは、なかなかに好印象ですね。

 お話の流れとかもまるっきり「死霊のはらわた」っぽいのですが、欧州製のホラーらしくやたらとドロドロとした感じで、相変わらずなんというかグロいです。

 いやまあ、本家の「死霊のはらわた」だって十分にグロい映画なのですが、なんというか欧州製のホラーって北米製の『カラッとして笑える残虐ホラー』と違って、『生理的に来る感じのグロさ』があるんですよね。
 まあ、その辺は観る人の好みにもよると思いますが…

 ストーリーは冒頭に書いている以上のものは無く、ぶっちゃけ有って無いも同然のようなレベルなのですが、事件を解決するための『ゴール』が全く見えない状態でお話しが進んでいくので、必要以上にお話しが長く感じてしまう印象。

 主人公たちのキャラの書き込みも薄いせいで『登場人物が殺し合いを続けていく様子』を淡々と見せられる感じなのに加えて、怪物が普通のゾンビ以上にタフで『脳天を銃で撃ち抜かれても向かってくるような連中』なので、残虐シーンで『過剰にグロい描写』が多くて観ていてちょっと疲れます。

 特撮も低予算故に『血糊ドバドバでごまかしてる感じ』だったり、画像も何だか荒くて『20年ぐらい前に流行った感じのスプラッタ映画』を見せられているような気分になる作品です。

 ただ古臭い感じの作りながらも、終盤の『全く救いの無い凄惨な感じの展開』はなかなか良い感じだったりと観るべき部分もあったのですが…
 序盤がちょっと冗長でお話がなかなか盛り上がらない点や、中盤も同じような『淡々とした殺し合いのシーン』が多くて途中でちょっと飽きてくる感じの構成なのは、もうひと捻り欲しかったところでしょう。


 総評としましては、なんと言いますかちょっと懐かしいテイストの『普通の低予算ゴア系ゾンビ映画』って感じの作品ですね。

 特にコレと言うほどの見所がある作品って訳でも無いのですが、良くも悪くも欧州系のホラーらしく分かりやすいレベルで『観ていて気持ちの悪くなるような作品』ですので、その手のノリが好きならば普通に楽しめる内容だと思います。

 欧州系「死霊のはらわた」のオマージュ作品という事で、そういう作品に興味があるならばチェックしておいても良い一本かもしれませんよ。