■■■「ポセイドン・レックス」■■■
(50点/モンスター)
カリブ海のブルーホールで沈没船の財宝を探すギャングたちが海底を爆破した事から、海底で冬眠状態だったティラノサウルスのような全長15mの巨大な怪物が復活。
怪物の襲撃によって気を失い海上を漂流していたトレジャーハンターのジャックスは、近くを通りがかった地元ガイドのヘンリーと海洋生物学者のサラによって救出される。
ジャックスから怪物と財宝の話を聞いたサラたちは、ジャックスと共にブルーホールに向かい海底の調査を行うが、その場所で大量の巨大な卵を発見する。
しかしその頃、怪物は沿岸のリゾート地を襲撃。
怪物の襲撃を知ったジャックスたちは、なんとかして怪物の襲撃と繁殖を食い止めようとするが…
カリブ海のリゾート地を冬眠状態から目覚めた巨大な肉食恐竜が襲撃するという、モンスターパニック映画。
「コマンドー」とか「イエティ」とか、微妙で小粒ながらも『それなりに見れる映画』を撮るマーク・L・レスター監督の新作ですが、本作もまあ何と言うか『そこまで面白くも無いけどそれなりに見れる映画』といった感じの作品ですね。
お話としては『ギャングが海底の地形を爆破したら冬眠していた恐竜が復活しました』という、まあそれだけのなんともありがちな設定のストーリーの作品です。
怪物を生物学者とトレジャーハンターが協力して倒そうとするのですが、そこに財宝を狙うギャングが絡んできたりと、そこそこ退屈しないような作りになっているのは、なかなか手堅い感じで良いですね。
怪物は架空の恐竜で『背びれのあるティラノサウルス』という感じの概観ですが、怪物が太古の時代から生き残っていた事に関して『不死のクラゲ』の設定が出てきたりと、そこまで違和感の無い感じの設定にはなっています。
怪物はCG合成なのですが低予算作品だけあってCGと人間との絡みが希薄で、あきらかに一人芝居をやってるようなカメラアングルなんかが多くて、襲撃シーンに全体的に迫力が無い印象。
また、よほど予算をかけない限り『海の生物とCGの相性は悪い』(水をCGで表現するのが難しいため)という問題点を本作も抱えており、海上での襲撃シーンは違和感がありまくりなのは残念なところ。
ただ逆に陸上での襲撃シーンは意外と頑張って作られていて、終盤の『主人公たちが車で逃げるのを怪物が追いかけてくるシーン』なんかは割と迫力があって良い出来だったので、いっそのこと陸上のシーンを中心にストーリーを構成すれば良かったのになぁ…という印象です。
キャラ立てなんかは割と良い感じで、脇役ながらも『恋人を怪物に殺されて復讐しようとする男』とか、ちょっとしたドラマを本編に上手く組み込んでいる感じ。
でも、ギャングとかがメインの設定として登場した割にはの矢鱈と影が薄いのと、主人公とヒロインの取ってつけたようなロマンスは要らなかったかなぁ?
(この手の映画にありがちですが、出会ってから数日なのに『お前らはいつの間にそんな仲良くなってたんだ?』って言う…)
ラストも矢鱈とあっけなくて盛り上がりに欠けるうえにちょっと投げっぱなし気味で、全体的に消化不良的な物足りなさを感じましたよ…
総評としましては、凄く面白い訳でも無いんだけどツマんない斬って捨てる程でも無いという『可も不可も無くそこそこ観れるモンスター映画』といった感じの作品ですね。
別にオススメするほどでも無いですが、観ても後悔するほど酷くはない内容ですので、衛星放送とかでTV放映された時とかに暇つぶしに観る程度なら悪く無い作品といったところでしょう。
モンスター映画大好きでどうしても気になっているのであれば、まあ止める程でも無いのでチェックしてみても悪く無いかもしれません。