NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ゴースト・シャーク」(50点/モンスター)

イメージ 1

■■■「ゴースト・シャーク」■■■
(50点/モンスター)

 アメリカのスモールポートという町で、ボートで夜釣りの大会に来ていた客がサメに獲物を横取りされた恨みから、巨大なホオジロザメを撃ち殺してしまう。

 しかし、サメが死ぬ直前に先住民の遺跡の洞窟へと逃げ込んだ事から霊的な力を得て実体の無い『ゴーストシャーク』として復活。
 殺された恨みを晴らすために釣りの客とボートの船長を殺害し、更には次々と町の人々を襲い始める。

 ボートの船長の娘のエバは、殺された父のボートに残されていたビデオカメラから『ゴースト・シャーク』の存在を知り、なんとかして怪物を退治しようとするが…



 釣りの客に殺された人食いザメが先住民の遺跡の力を得て『幽霊ザメ』となって蘇り次々と人間を襲うという、モンスターパニック映画。

 「スパイダー・シティ」とか「フライング・ジョーズ」とか一発ネタ的な低予算モンスターパニック映画を撮ってる監督の新作のようですが、最近はそのベクトルを更に推し進める方向で来たのかでしょうか…
 新作は『サメと幽霊をくっ付けたら面白いんじゃね?』という感じの一発ネタで作られたんじゃないかと思われる、なんとも良い意味でバカバカしい作品です。

 映画の中身に関してはタイトルの『そのものスバリ』といった感じの内容で『死んだ筈のサメが幽霊になって復活して復讐のために人間を襲う』というお話なんですが…
 『サメが死ぬたびにいちいち幽霊になってたら、魚河岸はそこらじゅう幽霊ザメだらけだろ?』って気もするのですが、いちおうそこは『先住民の遺跡の力を得て幽霊ザメになった』みたいな設定になっており、まあそれなりに説得力のある(?)展開になってはいます。

 この幽霊ザメは幽霊だけに実体が無く『水のある場所ならどこでも出没できる』という特徴を持っており、プールはおろか排水管や水たまり、果てはウォーターサーバーからまで飛び出してきて人間を襲うというアクロバティックな襲撃方法で、どんな場所に居ても容赦なく人間を襲いまくってくれるという無茶苦茶な展開は、なかなかに痛快で面白いのですが…

 ただ設定の派手さの割には特撮が矢鱈とショボくて、襲撃シーンに迫力が全く無いのは困りもの。

 幽霊ザメの姿は『光る半透明のサメ』といった感じなのですが、襲撃シーンの大半が『単に半透明のCG映像を人間に重ねただけ』という感じで、どうにも面白味に欠ける印象。

 『ウォーターサーバの水を飲んだ人の体の内側から出てくる』とか『雨と一緒に空から降ってくるとか』一部で面白いシーンもあるのですが、せっかくこんな無茶な設定を作ったんだから、もっと狭い場所から練り歯磨きのように飛び出して来るとかCGを駆使した表現が見たかったです。

 また設定のバカバカしさに対して、ストーリーが割とマジメで今ひとつ面白味が無いのも残念なところ。
 ここまでムチャクチャな設定なんだから、もうちょっと意外性のある感じかコミカルな要素があっても良かった気はします。

 ラストの怪物の退治の仕方も今ひとつ捻りが無くてインパクトが弱いですし、全体的にお話の盛り上がりもいま一歩な感じですし、内容が『設定負け』してしまっている感じなので、もうちょっと丁寧に作られてて且つ『もうひと捻りあればなぁ…』という印象の作品でしたよ。


 総評としましては、バカバカしい設定の割にはインパクトに欠ける『今ひとつ微妙な感じのモンスターホラー映画』といったところ。

 低予算モンスター映画としては凡作といった感じなのですが、ネタ映画としては今ひとつパンチに欠ける内容なので、お馬鹿映画を求めている人はあまり満足できない感じかも?

 まあD級程度の作品ながらもそこそこ観れるマトモな仕上がりではありますので、予告を観てお馬鹿な感じの設定とかが気になっているなら、とりあえずチェックしてみても良いかもしれません…