NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ヘル・ブレイカーズ」(20点/オカルト)

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■■■「ヘル・ブレイカーズ」■■■
(20点/オカルト)

 乗り合いバスでアメリカ中西部を旅していたアダムとアイザックの兄弟は、バスが事故にあって他の乗客たちと共に森の中で立ち往生していたところをジャックと名乗る黒人男性に助けられる。

 折からの嵐を避けるために彼の暮らす森の中の古びた一軒家へと訪れた彼らだったが、その家で夜を過ごすうちに乗客の一人である弁護士のビルが変死するという事件が発生。

 この家に不審なものを感じる彼らだったが、実はこの家は100年前に悪魔憑きの少年によって一家惨殺事件が行われたという、恐るべき呪いのこもった場所だったのだ…



 車の事故で森の中の一軒家で過ごす事となったバスの乗客たちが、恐るべき呪いにみまわれるというオカルトサスペンス映画。

 タイトルやパッケージから、てっきりアクションホラー的な内容かと予想していたのですが、全くそういう要素は無くていわゆる『幽霊屋敷もの』のオカルト系のサスペンスです。

 というか『ヘル』も『ブレイク』も全くしないような内容で、『何か別の映画とタイトルを付け間違えたんじゃないか?』と本気で疑いたくなるようなお話なんですけど、配給会社の人はいったい何を思ってこのタイトルを付けたんでしょうか?
 (ちなみに原題は「7 BELOW」で『7階下』とかって意味なので、もしかしたら『地獄の第7階層』を指してるのかも?)

 まあタイトルがどうあれ映画の中身の方が面白ければ基本的に文句は無い訳ですが、映画の中身の方も『なんじゃコリャ?』という以外に言葉が出てこないようなお話です。

 お話の題材としては、いわゆる『幽霊屋敷もの』と言いながらもちょっとテイストの変わった内容で、ちょっとネタバレをしてしまうと『100年前の呪い』とか『前世の因果』とかそういう感じのネタを扱った作品ですね。

 …って設定だけ聞くと別に悪く無さそうな感じなんですが、本作の何が辛いってまずお話がなかなか動き出さずにとにかく盛り上がらない事。

 90分ぐらいの映画なのに、お話がようやく動き出すのが60分を経過した辺りで、そこまでは面白いとか面白く無いとか以前に『どういう設定の話なのかが良く分からない』ような状態のまま時間だけが経過していくので、どうにもダルいです。

 というか、話が動き出すまでは『主人公の兄弟の過去の話』とかを延々と聞かされたりするだけみたいなシーンが多くて、ホラーとしての雰囲気の盛り上げや映像センスもイマイチで『雰囲気映画』としても楽しめない程度のノリなんですよね。
 とりあえず主人公たちが別に不快なキャラではので、ダルくても苦痛を感じるほどじゃないのは救いではありますが、それにしても微妙すぎる展開です。

 ただ中盤までのダルさに対して、終盤にかけて『謎解き』が始まると一気に『予想外の展開』へと突入していくのですが、この『予想外の展開』があまりにも予想外なうえに唐突すぎて『何を言ってるんだお前は…?』とツッコミを入れたくなるレベルなのは困りもの。

 ラストの展開も何がどうなったのやら、はたまた何を言いたいのやらサッパリ分かりませんし、恐らく『監督の頭の中ではキレイにお話が繋がってるんだろうなぁ…』と言うぐらいにしか解釈が出来ませんでしたよ。

 結局、最後に少年の霊は何がやりたかったの…って言うかラストは何がどうなったのよ?


 そんな感じですので、総評としましては『面白く無い』というか…それ以前に『面白いかどうかを判断できないぐらいに良く分からない映画』というのが正直なところ。

 『キャラの立て方』とか『サイドストーリー的な要素』とか、メインのストーリー以外の部分は壊滅的じゃないので観るのはそこまで苦痛では無いものの、メインのストーリーが訳が分からなさ過ぎでポカーンとしてしまうようなお話なので、ちょっと人にはオススメできないです。

 どうしても観たいというのであれば止めませんが、とりえあず「ヘル」の要素も「ブレイカー」の要素も全然ない映画ですので、その辺は覚悟してから観た方が良いと思いました。