（４０点／サスペンス）
出版社からの依頼で会員制の『秘密のレストラン』の調査を行う事となった料理評論家のマルコスは、一軒のレストランでエバという美しい女性と知り合う。
この世界に通じているというエバの紹介で、世界中の『珍しい高級食材』を食べさせてくれるレストランの取材を続けていく彼だったが、ある日、知人の女性記者であるカルラから『人間の肉を料理して食べさせるレストラン』のウワサを聞かされる。
調査のためにそのレストランの話をエバにしたところ、最初はレストランの存在を否定していた彼女だったが、実はそのレストランの事を知っており、後日に彼をレストランに紹介してくれる事となる。
そのレストランの秘密を暴くために招待状を受け取った彼は、案内人によって目隠しをされてどこかの片田舎にある巨大な屋敷へと案内されるが…
人肉を調理して客に食べさせる秘密のレストランの都市伝説を描いた、スペイン製のサスペンスホラー映画。
欧州製のホラー映画で「人肉レストラン」というタイトルから、てっきり『キツいゴア系の作品』を予想していたのですが、思った以上に地味というか大人しい感じのサスペンスホラー映画ですね。
R-15指定になってますが、むしろエッチなシーンとの併せ技で年齢指定を食らってるような印象かも？
お話としては、主人公が『人肉レストラン』の謎を追っていくというような展開で謎解きがメインのサスペンスという印象。
お話の展開がかなりゆっくり目で、終盤にストーリーが盛り上がるまでのテンポが悪いのは難点ですね。
序盤～中盤は、主人公と謎の女性『エバ』との関係（肉体関係も含めて）が描かれるのですが、欧州映画らしい『雰囲気作り』の仕方は悪くなくて、そこまで退屈な印象は受けないのは良いところ。
またサスペンスとしてなかなか盛り上がらない代わりに、割と美味しそうな料理を食べるシーンが何度も出てくるので、観ていてお腹が空くので深夜とかに観るのは要注意かも？（笑）
お話が盛り上がり始めてからの終盤の展開は悪く無くて、全体的に淡々とした感じでモラル破壊と『静かな狂気』のようなものが描かれているのは良い感じ。
ただ淡々としすぎて盛り上がるシーンがあんまりなく、パッケージや煽り文句（「ホステル」や「ムカデ人間」に続く問題作とか）から受けるようなエグイ要素を期待してると肩透かしも良いところで、ハッキリ行って不満の残る内容です。
サスペンスとしてもちょっと盛り上がる部分が少なくて、雰囲気は良いのですが全体的にいまひとつ危機感が感じられないので、ちょっと物足りなさを感じます。
ラストの展開はなかなか予想外で面白かったですし、オチの不気味な雰囲気も悪く無いのですが、それ以外に『見所』となる部分が殆ど無いのが惜しい。
もうちょっと序盤のサスペンス要素がシッカリと描かれているか、ゴア要素の見せ場なりがあればかなり印象の違う映画になったと思うんですけどね…
総評としましては、雰囲気や設定は悪くはないんですが全体的に『物足りなさの残る作品』というのが正直なところ。
中途半端にグロ映画っぽいタイトルやパッケージで煽られていたせいで期待はずれに感じてしまった部分もあると思うので、もうちょっと普通のタイトルにしておけば良かったんじゃないかなぁ？
それなりに観るべき要素もあるので、気になっているのならチェックしてみるのも良いんじゃないかと思いますが、過剰な期待をしていると肩透かしを食らわされてしまうので要注意ですよ。
