■■■「アタック・オブ・ザ・50フィート・チアリーダー」■■■
(60点/コメディ)
母の期待に応えるために大学のチアリーディング部の入団テストを受ける事になった冴えない女子大生のキャシーは、そのダサイ外見と運動神経の無さから門前払いを食らってしまう。
彼女はテストに落ちた悔しさから、生物の細胞を活性化しスタイルを良くするという大学で研究中の新薬『リニュー』を自分へと投与するが、果たして彼女の思惑通り抜群の美貌と運動神経を手に入れる事に成功。
しかし一転して周りの注目の的となった彼女だったが、薬の副作用によって肉体が急激に成長を始めてしまい、遂には15mの巨体になってしまう。
姿を隠して元に戻る方法を探すキャシーだったが、その頃、同じチア部のメンバーで彼女を敵視するブリタニーが、キャシーの『変身』の秘密が新薬にあると知った事から自分にも『リニュー』を投与してしまい…
実験中の新薬の影響で15mの巨体に変身してしまったヒロインを巡るドタバタを描いた、ロジャー・コーマン製作によるSFコメディ映画。
同じような設定でロジャー・コーマン製作作品である「アタック・オブ・ザ・ジャイアントウーマン」のリメイクというかリニューアル(?)に当たる作品ですね。
(正確にはこの作品自体がリメイクでオリジナルは「妖怪巨大女」)
自分は前作の方は観てないのですが、設定やプロットなんかはほぼ「ジャイアントウーマン」と同じような感じで、現代風にリメイクした作品のようです。
もともとの作品が超低予算で撮影されたB級SFコメディだったのですが、やはりこういう『下らない一発ネタ系の作品』とコーマン監督の相性の良さはバツクンですな。
ストーリーの深みとか重厚なテーマとかは全く無いですが、コメディとしてのテンポは軽快ですしキャラの立て方も上手くてヒロインもなかなか魅力的に描かれており、良い意味で『非常に下らないお色気コメディ』として安心して楽しめる内容といった感じ。
ちなみに巨大化して15mになった時よりも、身長が2.5mぐらいになった段階の方がシュール過ぎて何か笑えます。
(いや、それを『背が伸びた』ってレベルで普通に受け入れるのはおかしいだろ。(笑))
何気に薬の影響で誕生した『巨大グモ』を出現させたりしてアクセントにしてたり、退屈させないようにしようとする構成も上手いですし、ラストの巨大チアガールの2人の対決もお約束なんだけど下らなさすぎて良い感じ。
(でもアクションがちょっと軽すぎる感じだったので、もうちょっと重厚感があった方が良かったかも?)
ただ特撮をCGで処理しているので、低予算ながらも合成にそこまで違和感が無いのは良いのですが、『建物との絡み』とかが殆ど無くて今ひとつ巨大感が活かし切れてない部分が感じられたので、その辺はもうひと頑張り欲しかった感じかなぁ…
あとギャグがちょっと下ネタに寄りすぎなので、もうちょっと下ネタに走らないギャグが大くても良かったかも?
また本作はもともと3D映画として公開された作品のようなのですが、映像作りがあんまり3Dを活かせている感じでも無かったので、そこまでやるならもう少しフェティッシュな映像にこだわりを見せて欲しかった気はしますよ。
総評としましては、物凄く下らないんだけどだからこそ『肩の力を抜いて気軽に見れるお色気コメディ』といった感じの作品ですね。
とりあえず『しょうもない映画を気軽に観たい』と考えているのであれば、間違いなくその需要にはマッチする映画だと思いますので、暇つぶしに観るには適した作品だと言えるでしょう。
敢えてオススメするほどの映画という訳でも無いですが、気になる方はニーズに合わせてお好みでチェックしてみてはいかがでしょうか?