NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「スキンウォーカー・プロジェクト」(35点/サスペンス)

イメージ 1

■■■「スキンウォーカー・プロジェクト」■■■
(35点/サスペンス)

 2010年のユタ州の牧場で、牧場主のホイトの息子であるコディが、突如として現れた奇妙な発光体に触れた瞬間に目の前から『消滅』するという奇妙な失踪事件が発生。

 民間の調査機関であるMDE社は、この事件を調査するために6名の調査チームを派遣し、事件の舞台となったスキンウォーカー牧場のいたる所に監視カメラを仕掛けて事件の調査を開始する。

 調査を開始した彼らは、深夜に奇妙な怪音を記録したり、家畜の変死体を発見したり、正体不明の巨大生物らしきものを目撃したりといった怪現象を次々と目撃しながらも調査を続けていくが、やがて『彼らの派遣元であるMDE社が数十年前にこの牧場で奇妙な実験を行っていた』という驚くべき事実を発見する事となり…



 2010年にユタ州の牧場を襲った謎のUFO現象を調査するチームの面々が、予想を超える恐るべき事態に直面するという、SF風味のサスペンスホラー映画。

 最近流行りの『POV形式のフッテージホラー映画』で、ひと言で言ってしまえば『UFO版パラノーマルアクティビティ』みたいな感じのお話ですね。

 ただ、単純に『宇宙人の出てくるパラノーマルアクティビティ』なのかと言うとそうでも無くて、中身の方は何というか『良く分からないお話』というのが正直なところ…

 序盤は『謎の光球』とか『怪音波』というソレっぽいものを追いつつ話が進んでいくのですが、中盤辺りから『行方不明の少年の幽霊』みたいなのが登場してみたり『謎の巨大生物』が登場してみたりと、かなり意味の分からない展開がテンコ盛りみたいな感じになってしまいます。

 その辺の現象にたいした説明も無いままどんどんとお話が進んでいくので、何か『特に理由も無い理不尽な現象が調査チームを襲う!!』みたいな感じで、とにかく観ていて何が起こってるのやら理解出来ずに混乱します。

 一応、終盤で『過去の何らかの秘密の実験が行われていた場所』みたいな設定が出てきて『事件の元凶』らしきものの正体っぽいがものが語られたりはするのですが…
 とにかく『矢鱈と色々な要素を詰め込みすぎ』な印象で、お話の流れの中で後付け的に次々と新たな設定が出て来すぎなせいで、自分にはラストまでストーリーのメインの設定が良く理解出来ずに何がなにやら訳が分かりませんでしたよ…
 (まあエンディングで『謎解き』っぽい解説があるので、製作スタッフが『どんな話が描きたかったのか』の理解は出来ましたけど…)

 また、それだけ『色々な要素』を詰め込んでいる割にはお話のテンポがそこまで良い訳でも無くて、終盤ぐらいまではたいした事件も起こらないためにかなり退屈な流れなのが辛いところです。
 中盤は意味が分からない上にダルい展開が多いというコンボのせいで、本気でちょっと眠くなってしまいました…

 ただ訳の分からない作品ではあるものの、この『訳の分からなさ』を表現する映像センスはなかなかのもので、インパクト重視のフッテージホラーとして観るとなかなか迫力があって良い感じですので、そういうセンスの良さは誉められるべき部分かもしれません。

 最終的に、ノリとして「ディアトロフインシデント」みたいなものを描きたかったのは何となく理解できるので、『もうちょっと全体的にテンポが良くて分かりやすい作りならなぁ…』と勿体無さを感じてしまうような作品でしたよ…


 総評としましては、やりたい事は分かるんだけど映画そのものが分かりづらすぎるという『なんとも残念な出来のPOVサスペンス』って感じの作品ですね。

 観るべき部分も無くは無いのですが、作りが粗くてイマイチな要素の方が多過ぎるので、ちょっとオススメするには厳しい感じです。

 予告とかで観て気になっているのであればチェックしてみてもやぶさかでは無いと思うのですが、割と色んな意味で許容範囲が広い人じゃないと辛い作品だと思うので、まあ『その辺はお好みで…』といった感じでしょう。