NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「新エクソシスト 悪霊祓い」(30点/オカルト)

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■■■「新エクソシスト 悪霊祓い」■■■
(30点/オカルト)

 5年前、12歳の少年ロビーが不良に絡まれた際に、相手の不良の少年が唐突に息を詰まらせて窒息死してしまうという奇妙な事故が発生。
 近所の住民から事故を不気味がられた彼は、引越して街から姿を消すが、5年後に高校に通うために街へと帰ってくる。

 ロビーと幼馴染だったヘザーは、彼と再会した事で徐々に仲良くなって行くが、以前からヘザーにしつこく言い寄っていた同級生のグレッグがまたしても不審な事故で死亡するという事件が発生。

 ヘザーの父で5年前の事件を知る刑事のジョンは、ロビーの周辺にばかり奇妙な事件が起こる事に不信感を抱くが、そんな矢先に5年前からロビーの事を探っているヘンリーと名乗る神父から『彼こそは悪魔の生まれ変わりだ』という警告を受け…



 悪魔の力を持った少年と彼を追う刑事と神父の戦いを描いた、オカルトサスペンス映画。

 ハッキリ言っちゃうと色々と酷くて残念な感じの作品なのですが、まず何が酷いって思いっきりタイトル詐欺だという事。

 「新エクソシスト」なんてタイトルに付いてるので、てっきり『悪魔祓いを題材にした作品』だと勘違いしてしまうと思うのですが、悪魔祓いとか全く関係の無いお話です。

 一応、悪魔祓い師(エクソシスト)が登場するので、その辺を指しているのかもしれませんが、神父は思いっきり脇役で事件を追う刑事とその娘が主人公みたいな感じですし、少なくともタイトルから期待されるような内容は一切無い作品だと言いきってしまっても差し支え無いでしょう。

 というか『悪魔の子』を題材にしてるんだから、どちらかというと「オーメン」とかにコンセプトが近い作品の気がしますよ…

 まあタイトル詐欺でも作品そのものが面白ければ良いのですが、ぶっちゃけ作品の中身の方もかなり微妙な内容。

 『未知の力を持った少年は本当に悪魔の生まれ変わりなのか』ってのと『その秘密を追う刑事と神父』という感じのサスペンス的な展開なのですが、まずこの少年が『悪魔の生まれ変わり』みたいに言われてる割には、たいして悪い事をしていません。

 せいぜい絡んできた不良をボコったのとか、幼馴染のヒロインをレイプしようとしたアホを殺したぐらいですし…(明らかに降りかかってくる火の粉を払ったような展開が多い)

 むしろヒロインの取り巻きの友達がたちの悪いチンピラみたいなのばっかりで、特に悪いこともしてないのに絡まれたり、キ●ガイ神父と刑事に粘着されて、割と同情される要素の方が強いぐらいのレベルです。

 まあこの辺は『実は…』って感じのネタでもあるので、ある程度はミスリードを狙った演出ではあるんでしょうけど、ストーリーに説得力を持たせたいなら、もうちょっと『悪魔の力を使った凶悪な事件』を派手に演出した方が良かったんじゃないかなぁ?

 そもそも『悪魔の生まれ変わり』みたいな設定の割には、お話に絡んでくるのが主人公の周り数名のみというスケールの小ささで、全体的に盛り上がるシーンもあまり無いですし、お話のテンポとかもあまり良く無くてイライラさせられるシーンも多いですし…
 まあ映画として我慢して観れないほどの内容ではないものの、とにかく地味で誉めるべき要素があまり思いつきません。

 ラストでちょっとだけ意外な展開があるものの、それも取ってつけたような内容で『なんじゃそりゃ?』って感じですし、正直に言って微妙としか言いようが無いレベル。

 個人的に、悪魔の力を持った少年が『高校生の割に前髪が後退しすぎ』なのが気になって、前髪にばっかり注目してしまったのは自分だけですかね…
 いやマジに本編の内容が薄すぎて、それぐらいしか印象に残らない作品でしたよ。


 総評としましては、正直言って『微妙としか言いようが無いレベルのオカルトサスペンス映画』という感じの作品ですね。

 観るのが苦痛なほど酷くは無いものの、敢えて本作をオススメする要素もあまり無いですので、よっぽど特殊な事情でも無い限りは普通にスルーしてしまって問題ない一本だと思います。

 特に「新エクソシスト」というタイトルに騙されて悪魔祓いものを期待してるような場合は、そういう要素は1ミリもありませんので、その辺はご注意ください。