NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「サファリ」(55点/パニック)

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■■■「サファリ」■■■
(55点/パニック)

 南アフリカへ訪れたアメリカ人観光客のジェスとザックは、友人や他の観光客と共にクルーガー国立公園でのサファリツアーに参加する事となる。

 しかし、ツアーの道中でお目当てであるライオンが観れなかった事から、ツアーガイドの提案で狩猟者向けの立入禁止エリアへと侵入。

 偶然にもその場所で遭難者と思しき一人の少女を発見した彼らは、急いで村へと戻ろうとするが、その途中で事故を起こしてしまい車が故障してしまう。

 更に車を修理しようとしたガイドが毒蛇に噛まれたせいで命を落とした事から、彼らはアフリカの大自然の中で孤立無援のまま取り残される事となってしまい…



 アフリカのサファリツアーに参加した観光客たちが事故によって危険な野生動物たちの棲息する大自然の中に取り残されてしまうという、パニックホラー映画。

 設定的には『行方不明になったアメリカ人観光客たちの残したビデオ映像』という事で、いわゆるPOV風のモキュメンタリー形式のパニック映画という感じのお話ですね。

 設定としてはありがちな話といった印象ながらも、POVとしては意外とあんまり無かったタイプの作品です。

 野生生物に襲撃されるシーンを『襲撃される側から主観的に捉える』という設定はなかなか面白くて、特に夜間のハイエナの群れに襲われるシーンとかはなかなか迫力があって恐ろしいです。

 主人公たちがパニックに陥って徐々にエゴを剥き出しにしていくという展開もお約束ながら悪く無いですし、作品のテンポも良くて飽きさせない作りで全体的にはなかなか丁寧に作られている印象。

 ただ惜しむらくは、こんなタイトルの割には『動物に襲撃されるシーン』が意外と少ないのは残念なところですね。

 崖から落ちたり心臓発作で倒れたりと、野生動物と関係ないところで命を落とす人が多くて、パッケージを見て動物パニック的なノリを期待してるとどうにも物足りません。
 (っていうか、あの崖を無理してジャンプで渡る必要あったか?)

 また仲間割れのパニック演出自体はお話を盛り上げるという意味では良かったと思うのですが、割と『どうでも良い内容』でケンカしてる(というか『今ここでいう事か?』みたいな話)みたいな流れなので、自然の驚異に対する危機感があまり感じられなくて逆に緊張感を削いでしまっている印象を受けるのは勿体無いですね。

 もうちょっと『自然の厳しさ』を前面に押し出したようなパニック演出を中心にお話を組み立てた方が面白くなってたんじゃないかという気はします。

 終盤の展開で意外性があるのは悪くなかったものの、ちょっと中途半端な印象なので、もうひと捻りあっても良かったんじゃないかなぁ…


 総評としましては、総じて出来は悪くは無いものの『ちょっと惜しい部分の多い作品』といった感じの映画でしたよ。

 まあ不満点もありますが観るべき部分もそこそこあるので、動物パニック映画とかが大好きな人であればチェックしてみても良いレベルの作品といったところでしょう。

 予告とかで気になっているのであれば、期待のレベル程度には楽しめる内容にはなっていると思うので、そういうジャンルが好きならば観ておいても良い一本かもしれません。