■■■「U.M.A 2014 フォレスト・モンスター」■■■
(15点/モンスター)
1967年にビックフットの研究家のパターソンとギムリンによって、世界で初めてビッグフットを撮影したフィルムとして有名になった「パターソンフィルム」。
今でもビッグフットの存在を信じるジムは、その「パターソンフィルム」の足跡をたどる冒険旅行に出るために、恋人のケリーと共にカリフォルニア州のウィロー・クリークという村を訪れる。
村で地元の住人やビッグフットを目撃したという人々へのインタビューを行い、準備万端で森の中へと侵入した彼らだったが、深夜に彼らのキャンプの周辺で不気味な物音や鳴き声のようなものが接近して来た事からパニックを起こしてしまい…
ビッグフットを信じる若者が恋人と一緒に「パターソンフィルム」の足跡を辿る撮影旅行に
出た先で恐怖に遭遇するという、モンスターホラー映画。
UMAとか超常現象とかが好きな人ならば名前は知らなくても映像や画像ぐらいは観た事があると思われる、ビックフットの目撃映像として有名な「パターソンフィルム」を題材にしたモンスター映画ですね。
パターソンフィルム自体はその真偽に賛否両論ありますが、作品の入り口として使うという設定は悪くは無いと思います。
お話としては、一人のモンスターマニアがパターソンフィルムの足跡を辿りつつ撮影旅行を行うという自主制作のPOV的な流れなのですが、すぐに冒険に出発するのではなくて序盤で『地元の住人や目撃者に取材やインタビューするシーン』があって、このシーンの雰囲気が非常に楽しそうなのは良いですね。
ウィロー・クリークの土産物屋を巡ってみたり、バーで『ビッグフットの歌』を演奏するショーを観たりと、完全に観光地化している雰囲気はあるものの『自分も一度はこういう場所に行ってみたい』という気分にさせられます。
ただ、序盤のダラダラとやってるパターソンフィルム発祥の地の『ドキュメンタリーっぽい部分』は割と面白いのですが、逆に探索に出かけてからがビックリする程つまらないのは困りもの。
何というか、とにかく『何も起こらない』うえに『モンスターが出現しない』のですよ。
この手の映画でパッケージ詐欺なんてのは良くある話なのですが、まさか本編で『音』と『鳴き声』以外でマトモにモンスターが画面に登場すらしないのには参ってしまいましたよ。
このパッケージの「トロールハンター」みたいな巨大生物のイメージイラストは、いったい何処のシーンをイメージしたものなんだって言う…
(『本当に、出た。』ってキャッチコピーが既に偽りで、実際には何も出て来ないし…)
まあモンスターがチラ見せ程度にしか登場しないようなホラー映画は良くあるので、それだけならまだ許せなくも無いのですが、ビッグフットを探しに来た筈なのに深夜にキャンプの周りに怪しい声や物音がすると『ビビってキャンプから外に出ない』という主人公の態度には流石にイラツキ度MAX。
お前は人里離れた深夜の森の中まで撮影機材まで持ち込んでるのに、いったい何をしにきたんだって言う…
ラストも物凄い投げっぱなしな訳ですが、まあモキュメンタリーなんだから投げっぱなしオチは良いとしても、そもそも主人公たちが森の中で何ものかに人知れずに殺害されたんだとしたら『いったいこのビデオは誰が回収したんだ?』って言う、モキュメンタリーの基本的な部分にすら矛盾のある内容にツッコミを入れたくなったのは自分だけですかね?
総評としましては、コレといって見どころの無い『微妙すぎる超低予算Z級映画』って感じの作品ですね。
ネタとしてはモンスターが登場しないという点で『ある意味で最強のネタ映画』ではあるんですが、実際に観る分にはこれ以上ないぐらいに退屈な内容ですし、オススメできるかと言われると厳しいところ。
よほど底辺ネタ映画に飢えてるとかでも無ければ、ごく普通にスルーしてしまっても問題の無いタイトルだと思いますよ。