NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「パラノーマル・アクティビティ/呪いの印」(45点/オカルト)

イメージ 1

■■■「パラノーマル・アクティビティ/呪いの印」■■■
(45点/オカルト)

 カリフォルニア州オックスナードに安普請のアパートに住む高校を卒業したばかりの青年ジェシーは、近所の住民で『魔女』だというウワサのあるアナという女性が『裸の女の体に奇妙な印を描く』という儀式のような事をやっている現場を目撃する。

 しかしその翌日にアナが何者かに殺されるという事件が発生。
 その場所から知人のオスカーが逃走するのを目撃した彼は、好奇心から事件を調査しようとアナの部屋へと侵入するが、その夜に左腕に『何者かに噛まれたような傷跡』が浮かび上がっている事に気付く。

 そしてその傷が現れて以降、異常に強力な身体能力を発揮したり、目から長い髪の毛が出てきたりするという奇妙な肉体の変化が起こり始めた彼はパニックに陥るが、そんな矢先に逃走中のオスカーと出合った彼は『自分もアナに”印”を付けられたせいで肉体が変異してしまった』という驚くべき告白を受け…



 魔女の呪いによって奇妙な『印』を付けられた青年が辿る運命を描いた、オカルトサスペンス映画。

 「パラノーマル・アクティビティ」シリーズは1作目のみは面白かったものの、2作目以降はどんどんツマんなくなっていったために4作目は観てなかったのですが、今回は今までとは別の新シリーズ(まあ設定とかの部分での繋がりはあるのかもしれませんが…)という事でとりあえずチェックしてみたのですが…

 何といいますか『コレって「パラノーマルアクティビティ」シリーズである必要性って全く無くない?』と以外に言いようが無いようなお話ですね。

 一応はPOV形式という共通点はありますが、今回のお話はどう考えても『POVである必然性が無い内容』を無理矢理POVにしてる感じで、シリーズものという設定にどうにも違和感が…

 ストーリーとしては『とある青年が近所で魔女とウワサされる女性が殺され事の周辺を探るうちに、恐るべき魔女の呪いの秘密を知る事になってしまい…』と言うような展開なのですが、今までのシリーズとあまりにもノリが違いすぎてちょっと面食らいます。
 (むしろ昨年公開されたPOVのサイキックSFものの「クロニクル」を思い出しました。)

 そもそも『幽霊屋敷もの』で無い時点でシリーズを語るのは変な気がするのですが、中盤以降は『オカルトもの』どころか『超能力もののサイキックホラー』みたいなノリになってしまうので、いくらなんでもコレをシリーズものと位置づけるのは無理があるだろという印象。
 まあ、自分は4作目を観てないので、もしかしたらその辺とストーリーの繋がりがあるのかもしれませんが…

 まあノリが違う映画になってても面白ければ良いのですが、内容的にも『カルト集団もの』としても『サイキックホラーもの』としても中途半端で、どういう方向性が描きたいのか判然としなくて今ひとつ面白く無いんですよね。

 事件が動き出すまでの展開もダラダラと冗長で長いですし、途中で主人公が交代するような展開になるためPOVなのに『一人称視点による感情移入や臨場感』が感じにくくて、どうにも盛り上がりません。

 中盤以降の展開は確かに意外性があってそこそこ面白いのですが、終盤で盛り上がってきたと思いきやラストは『何の謎解きも解決もしない投げっぱなしオチ』ですし、なんというか全体的にガッカリな内容です。

 と言うか、本作はどう考えてもPOVという形式を取らない方がまだ面白くなったと思うのですが、『別の作品を撮りたかったんだけど「パラノーマルアクティビティ」という冠を使いたいがために無理矢理設定をくっ付けたのかなぁ?』って感じで、なんとも釈然としないものの残る映画でしたよ。


 総評としましては、そこまでツマんなくは無いものの不満点も多くて『全体的に微妙な印象を受けるオカルト映画』って感じですね。

 むしろ「パラノーマルアクティビティ」ってタイトルを使ったせいで、印象が違いすぎて損をしてるような感じなので、シリーズの新作と思わずに観ればそれなりに楽しめるかも?

 あまりオススメするほどの事も無いですが観れないレベルの酷い映画という訳でも無いので、シリーズもののネタ映画として気になっているのであればチェックしてみても良いんじゃないでしょうか?